日本サッカー界に孫正義のようなビジネスリーダーを

フォーブスジャパンWEB編集長 谷本有香(左)とTEAM Head of Asia Sales 岡部恭英氏(右)


谷本:では、その時に世界トップになれるために、いま、日本のサッカー界がすべき改革はありますか?

岡部:改革のためには、いろんな世界を知っている人間をリーダーに据えるのがひとつだと思います。日本のサッカー界、日本のスポーツ界、五輪もそうですが、日本でこの手のトップになるのは、だいたい元選や政治家や役人あがりなんです。それが悪いとは言わない。けれど、そうすると、その世界感だけになってしまう。

日本代表を初のワールドカップ出場に導いた岡田武史さんは珍しく、日本代表の選手、コーチも監督もやり、Jリーグの監督にもなり、また、日本の名だたる企業の社外取締役もやっている。また、四国サッカーリーグ・FC今治のオーナーになり、経営もしているんですね。あと、中国で監督もしている。

常に自らをイノベートし続け、常にボーダーをクロスしている。ファンクションからファンクション、国から国へ。そういう様々な引き出しがある人がトップに立つことが、日本の硬直した組織に見られがちな「均一化」、「一律化」といった面だけでなく、多様性に満ちたしなやかかつ迅速で強い組織を作り、大変革につながるのではないでしょうか。

谷本:岡田さんの他に、岡部さんが推薦する具体名を挙げられますか?

岡部:固有名詞でいえば、例えば孫正義さんです。また、本田圭佑選手などもそうでしょう。スポーツはいま、ビジネスであり、グローバル大競争なんです。お金がないと勝てない。また、グローバルな競争力を持っていないと勝てないんです。

潤沢な資金を持つアメリカやヨーロッパはどうしているかというと、きちんとしたビジネススキームを持って、百戦錬磨のプロのビジネスマンが経営しているんです。ならば、日本もビジネスなどの厳しいグローバルな舞台で大成功している経営者を連れてこない手はないと思っています。


岡部恭英◎TEAMマーケティング Head of Asia Sales。スイス在住。UEFAマーケティング代理店「TEAMマーケティング」のテレビ放映権/スポンサーシップ営業 アジア・パシフィック&中東・北アフリカ地区統括責任者。SBAスポーツビジネスアカデミーアドバイザリー・ボード。 TIAS(筑波大学院国際スポーツアカデミー) 特別講師。 ケンブリッジ大学MBA。 慶應義塾体育会ソッカー部出身。夢は「日本でFIFAワールドカップを再開催して、日本代表が優勝!」。

インタビューアー= 谷本有香、写真=岩沢蘭

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