アフリカに「明かり」を、23歳起業家がソーラーパネル付バックに込めた思い

The Soular Backpack

23歳のサリマ・ビスラムは、ソーラーパネル付きのバックパックを生産・販売するスタートアップ、ソウラー(Soular)の創業者だ。同社のバックパックを使えば、電気がないアフリカ郊外に暮らす子どもたちが、高価かつ発がん性物質を発生させる灯油ランプを使わず夜でも勉強できるようになる。

ソウラーは米テレビショッピングチャンネルHSNのウェブサイトで、ディズニーとコラボレーションして“ワン・フォー・ワン(1つ購入すると困っている誰かにもう1つ)”モデルでの販売を開始する。ディズニーの新作映画『クイーン・オブ・カトウェ(Queen of Katwe)』はウガンダが舞台の物語で、灯油ランプが物語の展開において重要な存在となっている。

「自分が育ったケニアには、毎日勉強することができず、中学に入学できない子どもたちがいる。貧困の悪循環がなくならないのも、それが大きな原因だ。この事実に触発されてソウラーを創業した」とビスラムは言う。

『クイーン・オブ・カトウェ』に主演しており、アカデミー賞の受賞歴もある女優ルピタ・ニョンゴは、ソウラー・バックパックの支援者だ。彼女とディズニーは7月、ソウラーのチームと共にウガンダのカトウェを訪れ、同社製のバックパックを子どもたちに贈った。バックパックは、9月下旬にハリウッドで行われる映画のプレミア上映の際にも展示される予定だ。

「1つ1つのバックパックに、『あなたの一歩に力がある』というルピタの言葉が入っている」とビスラムは言う。

ビスラムは、ソウラー創業にあたってまずクラウドファンディングのキャンペーンで資金調達を開始。目標額を25%上回る5万ドル(約512万円)を調達した。創業以来、彼女はケニア、ウガンダ、タンザニアの各地で数百個のバックパックを配布してきた。

「これまでに500人の子どもたちにバックパックを配布してきたが、1世帯に1つあれば、平均で3人の子どもがそれを使って勉強できることが分かった」

こう語るビスラムには、さらに大きな計画がある。
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編集=森 美歩

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