米フォードがカーシェア事業を強化 乗り合いバス企業を買収

photo by John Keeble / gettyimages

モビリティの未来を見据える自動車メーカー、米フォードは乗り合いシャトルバスやバイクシェアサービスのスタートアップ企業を買収する動きを見せている。

フォードは子会社のフォード・スマート・モビリティを通じ、サンフランシスコを手始めに、今後18ヶ月間で全米5都市にモビリティの新サービスを拡大していく。9月9日、同社はフォード・スマート・モビリティの今後の計画について発表を行なった。会見にはサンフランシスコ市長のエド・リーや、サンノゼ市長、バークレー市長も同席した。

「今後、世界的に懸念されるのが都市部への人口の集中です。現在で50%と言われる都市人口は、今後の10~15年で60%まで増加すると予測され、それにより都市部の交通渋滞はますます悪化します」とフォードのマーク・フィールズCEOは述べた。

フォードは今回、サンフランシスコの乗り合いバスサービス企業、チャリオットを買収する。チャリオットはウーバーやリフトと同様にスマートフォンから予約可能な乗り合いサービスで、片道3ドルから利用可能だ。

設立2年の同社はサンフランシスコのベイエリアで規定のルートを運行し、乗客の需要に合わせて乗車地点や運行スケジュールを調整中だ。チャリオットの仕組みは従来の大規模輸送と配車サービスの中間的なものと言える。

フォードはまたバイクシェアのフォード・ゴーバイク事業も強化しており、スタートアップ企業のMotivateへのスポンサーシップを開始。ベイエリアでの通勤利用を促進する。フォードは同社のアプリFordPassをMotivate のサービスと連携させ、2018年までに7,000台の自転車を利用可能にするという。Motivate社は現状で800台の自転車をベイエリアで稼働させている。

競合のGMもカーシェア分野に進出

一連の動きは、都市部のミレニアル世代を中心に広がる、個人の移動手段の変化に対応したものと言える。同様な動きを進めるゼネラル・モーターズ(GM)は配車サービスのリフトに出資し、今年1月にはカーシェアサービスのMavenを創設。ワシントンDCやシカゴでサービスを開始した。
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編集=上田裕資

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