小売企業がテクノロジー関連の役職に女性を雇うべき理由

shutterstock.com

10代の少女に無料でプログラミング講座を提供している米非営利団体ガールズ・フー・コード(Girls Who Code)では毎年、高校生を対象とした夏季講座「サマー・イマージョン・プログラム」を実施している。

2016年6月から8月にかけて開催された同講座には、ファッションブランドのケイト・スペードや化粧品大手セフォラが参加した。参加企業は増えているが、なぜもっと多くの小売企業がこうしたプログラムに参加しないのだろうか?

女性が消費全体の70~80%を占めていることは、よく知られている。世界全体で毎年、女性が消費に費やす金額は何兆ドルにものぼるのだ。小売環境は急速に変化を遂げており、今後新たな消費者対応技術が、買い物体験を根本的に変えていくだろう。

では、女性のエンジニアや技術リーダーはなぜ、テクノロジー関連のトップの地位に上り詰めることを阻まれるのだろうか。こうした新たな体験づくりに女性が加わることができないとしたら、それはどのような意味を持つのだろうか。

現在募集中のプログラミング関連の仕事のうち、3分の2以上はテクノロジー以外の部門の仕事だ。シリコンバレー以外の場所ならば、女性にもコンピューターサイエンスの知識を生かす機会はたくさんある。コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーが5月に発表した報告書によれば、今より多くの女性がテクノロジー関連の仕事に従事すれば世界のGDPは12兆ドル(約1,220兆円)増えると予測される。

だが同社は3月に発表した報告書で、小売各社はテクノロジー関連の職種を含め「女性をトップレベルの役職に昇進させるのに苦慮している」と指摘。小売部門では新人レベルや中堅レベルの役職には多くの女性がいるが、幹部レベルはわずか13%と、他の業界も含めた平均よりも5%少ない。

ガールズ・フー・コードの創業者レシュマ・ソージャニは、各小売ブランドは既にこの問題を認識しており、積極的に取り組みを行っていると語った。

「各企業はテクノロジー部門のチームにもっと多くの女性を雇いたいと考えている。消費の大部分を担っているのは女性だからだ」
次ページ > 今後の課題と展望

編集=森 美歩

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事