四半期に一度では少なすぎ? 社員を伸ばす建設的なフィードバックとは

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マネージャーの約9割は、従業員が後ろ向きな反応をすることを恐れて、従業員に建設的なフィードバックを与えるのを避けている。

だが自分の仕事の出来不出来を認識している従業員が全体の半分以下であることを考えれば、彼らが建設的なフィードバックに後ろ向きな反応をするのも当然ではないだろうか。フィードバックを得られるのが年に数回だけならば、特にそうなるだろう。

コンサルティング会社リーダーシップIQ(Leadership IQ)が実施している調査(3万人以上の会社員が参加)では、参加者たちに仕事に関する100以上の質問を行った。その中には「自分のパフォーマンスが望ましいものであるかどうかを認識しているか」という質問もある。

自分のパフォーマンスが望ましいレベルにあるかどうかを「常に」認識している、と回答したのは全体のわずか29%だった。だがこの数字は、本来は100%近くでなければならないのだ。リーダーの主な役割の一つは、従業員のパフォーマンスについてのフィードバックを提供することなのだから。

皮肉なのは、リーダーが従業員のパフォーマンスについてもっと定期的にフィードバックを与えていれば、さほど厳しい批判をせずに済むことが多いということだ。それに多くの従業員は、自分が優れた仕事をしているのかどうかを心から知りたいと思っている。建設的なフィードバックを十分にもらっていない場合、キャリアでの成功は難しいと知っているのだ。

もう1つの皮肉は、定期的に建設的なフィードバックがあれば、従業員はそれにきちんと対処するということだ。たとえば「建設的な批判にはどう対応するか」という質問では、回答者の約39%が、批判された問題につながる全てのステップを詳細に分析するという結果が示された。

この問題を解決する上でひとつ重要なのは、もっと頻繁にフィードバックを与えることだ。マネージャーがし得る最悪なことの1つは、フィードバックを出し惜しみすること。そんなことをすれば、小さな問題が積み重なってどんどん大きな問題になっていく。

それにフィードバックの出し惜しみは、従業員から問題解決のチャンスを奪うことにもなる。前述の調査でも、従業員の39%は建設的な批判を受けたらすぐに、その根底にある問題の修正に取り組む意思がある。だが問題があることを認識さえしていなければ、それもできないのだ。
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編集=森 美歩

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