ビジネス

2016.09.07

アップルミュージック、新プレイリストを密かに導入 スポティファイを意識か

dennizn / Shutterstock.com

アップルミュージックが競合サービスに追随すべく、ユーザーごとにパーソナライズされた“My New Music Mix”と“My Favorites Mix”と名付けられたプレイリストをひそかに導入した。

“My New Music Mix”にはユーザーが過去に聴いた音楽をもとに選ばれた新曲が入っている。あるユーザーの場合は、お気に入りに登録してあるアーティストやテイストが似ているアーティストが1か月以内に発表した楽曲が登録されていた。“My Favorites Mix”にはユーザーがよく聴いている楽曲や、以前によく聴いていた楽曲が登録されている。

 “My Favorites Mix”は毎週水曜日、“My New Music Mix”は毎週金曜日に更新される。2015年、シングルやアルバムのリリースが全世界的に金曜日に統一されたため、新曲が入る“My New Music Mix”が金曜日に更新されるのは理にかなっている。2つのプレイリストは“For You”タブの中に入っていて、それぞれ25曲が登録され、およそ1時間で聴き終わる内容になっている。

2つの新プレイリストは、明らかにスポティファイを意識したものだ。ユーザーごとにカスタマイズされたプレイリストを自動で作成するサービスは同社が始めたもので、今ではどのストリーミングサービスにも求められる機能だ。2つのプレイリストの内容は似通ってしまうという問題があったが、スポティファイはユーザーがまだ知らない、気に入りそうなアーティストの楽曲を提案することでその問題を解決した。

スポティファイが2015年から始めたプレイリスト“Discover Weekly”では、ユーザーが気に入りそうな、まだ聴いていない楽曲を毎週提案している。これまで少なくとも4,000万人がこのプレイリストを試しており、このプレイリストからは50億回以上も楽曲がストリーミングされている。さらに2016年にはユーザーのお気に入りアーティストの新曲を毎週チェックして登録してくれるプレイリスト“Release Radar”のサービスも始めた。これはアップルミュージックの“My New Music Mix”に似ているが、“My Favorites Mix”と同様のプレイリストはスポティファイにはないようだ。

アップルミュージックの2つの新プレイリストは今のところベータ版にしか登場していない。今回は発表もなかったことから、来週予定されている新サービスの発表の際に説明があるとみられる。

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事