米Nvidia、自動運転車開発で中国バイドゥと提携 AI学習を強化

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自動運転車分野への進出を狙うグラフィックチップメーカー米Nvidiaが、中国のバイドゥと提携し、AIを利用した自動運転車向けのマッピングシステムを開発する。

Nvidia のジェンスン・ファンCEOは北京で行われたバイドゥ世界大会(Baidu World Conference)で、同社が開発した自動運転を制御するハードウェアDrive PXとバイドゥのマッピング技術やクラウドプラットフォームを組み合わせると話した。このプロジェクトでは「クラウドと自動運転車を結ぶアーキテクチャーを構築するために、AIにおける技術力や専門性と、2つの世界クラスのAI企業のスケール」を組み合わせるとファンは語った。

Nvidiaは先週、Drive PXのアップデートを発表した。Drive PXは道路や交通状況を把握し、自動車の頭脳となるコンパクトなスーパーコンピューターだ。運転免許証ほどの大きさのDrive PX 2は、ディープラーニングを通じて道路状況や車種、歩行者やランドマーク等の情報を学習。周辺の障害物や交通状況に対処する。Nvidia によるとDrive PX 2はディープラーニングによる学習を1秒に24兆件処理できるという。

Nvidiaの技術は80社の世界の自動車メーカーらが導入を検討している。中国の自動車メーカーである吉利汽車(Geely Automobile)傘下のボルボは、自動運転車XC90 SUVのプロトタイプにDrive PXシステムを導入している。

自動運転車が走行するためには、自動車にコンピューティング・ハードウェアとAIアルゴリズムを搭載し、常時更新されるクラウド上の3Dマップを活用することなどが必要になる。バイドゥは先週、カリフォルニア州において自動運転車の試験走行を行なう許可を獲得した。同州ではすでにグーグルやフォード、トヨタを含む10社以上の自動車メーカーやテック企業が自動運転車の試験走行を開始している。

バイドゥの試験も「かなり近いうちに」始めると、同社の上席副社長で自動運転車部門のゼネラルマネージャーでもあるワン・ジンは声明で述べた。「バイドゥはすでにシリコンバレーに自動運転技術を開発するための強力なチームを設置しており、試験走行の開始により開発が大きく進みます」

バイドゥは8月、自動車の周囲の360度3Dマップを作るためのライダー(Lidar)センサーのメーカーであるベロダインに対し、フォードと合計で1億5,000万ドル(約156億円)を出資している。

編集=上田裕資

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