犬の貸し借りマッチングアプリ「バークンバロー」 米国で勢力拡大中

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昨年11月にアップルのアプリストアに登場した「バークンバロー(Bark’N’Borrow)」 は、米国内の愛犬家をつなぐiOSアプリだ。様々な事情で犬を飼うことは難しいが犬と触れ合いたい人と、飼っている犬の遊び相手やシッターを探している人が約7万人登録する。

このアプリを作った24歳のリアム・バークレーは「犬をシェアすることで人間と犬の両方が幸せになり、より多くの愛が生まれる」と話す。

「全米犬の日(National Dog Day)」の8月26日、バークレーは同アプリのバージョン2.0を公開し、月額7.99ドル(3か月契約の場合は1月あたり4.99ドル)の定額会員プランを発表した。ユーザーは定額会員になると犬の貸し借りを含めた会員同士のコミュニケーションを無制限で行えるほか、近隣のシェルターで保護されている犬も借りられる。バークレーによれば、通常のペットシッターや犬のレンタルを利用するよりも安く済むはずだという。

見知らぬ他人同士をつなぐアプリには安全面のリスクがつきものだ。その点についてバークレーは、「僕たちは最も安全で責任あるコミュニティを築くために、個々のユーザープロフィールを精査している」と話す。また、アプリ上で約束が取り交わされたプレイデートならぬ“ドッグデート”には最高補償額200万ドルの保険が適用される。24時間対応のカスタマーサービスや、ユーザーが互いを評価するレビュー機能がある点も、ユーザーにとって心強い。

新たな出会いは犬にとっても有意義

サンフランシスコで愛犬のミニーと暮らすローレン・マクロードは、約9ヶ月前にバークンバローを使い始めた。以来、ミニーを散歩やハイキングの友としてリクエストする人の多さに驚いている。アプリについては「使い方が簡単で、近くにいるユーザーが一目でわかるのがいい。最初に会った相手は自宅の1ブロック先に住む人だった」と話す。

「きちんと教育された犬にとって、アプリを通して多くの借り手と出会うことは有意義な経験のはず」と話すのは、パデュー大学獣医学部のアラン・ベックだ。「犬はかなり適応性のある動物。動物病院やペットホテルに順応するように、新しい経験に柔軟に対応できます」

“ドッグデート”は犬と借り手の双方に癒しをもたらすとの研究結果もある。「犬は自分を好ましく思っている相手と過ごすことを喜びます」とベックは言う。借りる人間も犬と過ごすことで運動不足の解消や、関係構築スキルの向上が期待できる。さらに犬を連れて外出すれば、他の人間と出会うチャンスも増えるだろう。

「動物を連れている人はより好意的に捉えられることはよく知られています。私たちは、犬に好かれているならきっと良い人に違いないと思い込むのです」
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編集=海田恭子

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