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2016.09.05

教師の自腹が必要なくなる? 学校もクラウドファンディングで資金調達

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夏休みが終わって学校が始まる際、私は息子の教室のためにさまざまな“寄付”を持たせた。

ペーパータオルや抗菌ティッシュ、スティックのりなど、教室を清潔で安全に保ち、また授業をスムーズに行うのに必要なものだ。そして、息子の担任の先生もこれから、すでに私たち親が寄付をした量と同じくらい、教室で必要なものを自腹で購入することになるだろう。

しかし、財政運営の厳しい学校区は今、資金を調達するための新たな手段に出ている。作家やミュージシャン、スタートアップの起業家たちのように、クラウドファンディングを利用するようになっているのだ。そして、クラウドファンディング・プラットフォームのゴーファンドミー(GoFundMe)が、その調達を手助けしている。

今年8月17日からの1か月間にゴーファンドミーで資金調達を開始したK-12(幼稚園から高校まで)のためのキャンぺーンのうち、少なくとも5人の提供者から合わせて250ドル(約2万5,500円)以上が集まったものには、ゴーファンドミーから50ドルが提供される。さらに、この期間中に最も多額の資金を集めた学校には、同社から1万ドルが寄付される。ただし、この対象になる資金調達キャンペーンは、「#GFMtoSchool」のハッシュタグが付けられたものに限定される。

業界団体エデュケーション・マーケット・アソシエーション(Education Market Association)によれば、2015年に教師が教室で使うものを購入した自己負担額の平均は500ドル近くに上り、10人に1人は1,000ドル以上を負担した。

アメリカの税法では、教師が教材や備品を自費で購入した分については税控除の対象にすることができるが、控除限度額は一人当たり250ドルとなっている。

ゴーファンドミーによれば、教育目的の資金調達キャンペーンへの寄付は過去2年で3倍に増え、1億ドル(約102億円)以上に上っている。

2014年から現在までに、米国内の教育関連キャンペーンで最も多くの資金を調達したのはカリフォルニア州で、総額は1,640万ドル(約16億7,400万円)。2位がテキサス州の900万ドル(約9億1,900万円)で、3位がニューヨーク州の750万ドル(約7億6,600万円)だ。

資金調達キャンペーンは無料で開始することができる。ただ、寄付一件ごとに提供額の5%をゴーファンドミーが徴収すること、手数料として3%が差し引かれることに注意が必要だ。それでも、クラウドファンディングを利用すればソーシャルメディアを通じて、より幅広く支援を呼び掛け、各校が従来行ってきた資金調達のためのイベントより多額の資金を調達することができる。クラウドファンディングの人気は高まり続けている。

編集=森 美歩

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