ビジネス

2016.08.27

「アップルストア」が間もなく消滅 改称に隠された戦略とは

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未来の小売業は、どんな姿をしているのだろうか。的確に言い当てることは誰にもできないが、私の見解を言わせてもらえば、東京・銀座やニューヨーク、ロンドンに店舗を構える「ドーバーストリートマーケット」こそが、現在の小売業界で最も未来的なビジョンを提供している場所だ。

ドーバーストリートマーケットがユニークなのは、来店者の目を引き、笑顔をこぼさせるような工夫が、店舗の隅々に施されている点だ。主な販売商品はファッション製品で、大部分が女性向けだが、男性向けも用意されている。ファッションに全く興味がなくても、そして何も買わなくても楽しめる店作りになっている。他の店とは比べ物にならないほど客の心をつかむ手法は、他の小売業者も見習うべきだ。

未来の小売業について、一つだけ確かなことがある。それは、実店舗であろうとウェブサイトやアプリであろうと、客をもっと楽しませることによって、集客力を高め、商品の購入やリピートにつなげる必要があるということだ。アップルが実店舗にさまざまな役割を持たせる必要性を理解しているのは明らかだ。将来的に、多くの小売業者が店舗に面白味を持たせる方向に動き、それができない者は淘汰されるだろう。消費者にとっては、なじみのある店が消えていく寂しさはあるものの、生き残った店はそれよりはるかに楽しく、面白い場所になるはずだ。

編集=遠藤宗生

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