アップルに重大危機 iPhone6「タッチ病」が最悪のタイミングで話題に

Photo by Chris McGrath / gettyimages

iPhone6のタッチスクリーンに関わる“欠陥”が相次いで報告され、アップル製品のクオリティに対する大きな疑念が浮上している。

タッチ病(touch disease)と呼ばれるこの不具合は、スクリーン上部に灰色のバーが現れるところから発症し、しばらくするとスクリーンが全く反応しなくなるもの。リペア情報で有名なiFixitによると、この現象はiPhone6や6 Plusの全ての製品に起こりうるという。

米ミズリー州でリペアショップを経営するジェイソン・ビルマーは、週に数回ほどこの現象を確認しており、「この不具合はまるで時限爆弾のように全ての端末に埋め込まれている」と述べる。

タッチ病はアップルのショップのスタッフでは解決できず、発症した場合は端末を買い換えるしかない。フォーブス記者のEwan Spenceはこの問題がアップルにとって何よりも重大なのは、そのタイミングのまずさだと指摘する。タッチ病はアップルが2週間後にiPhone 7の発表を控えたタイミングで話題になった。

この問題により、iPhone 6や6 Plusのオーナーが新型のiPhoneを買うことをためらうのは自然な流れだ。サムスンのGalaxy S7やNote 7のような高評価のアンドロイド端末を選ぶ人も居るかもしれない。

アップルは自社の製品に関し高いクオリティを保証しており、米国きっての高評価企業に登りつめた。タッチ病の広範囲な出現は、同社の製品の信頼性に大きな疑念を引き起こす。ソフト面ではアップルは過去に地図ソフトにバグを残したままリリースし、その評判を損なった。最近ではアップルミュージックの操作性に対する不満も高まっている。

アップル製品に詳しいライターのウォルト・モスバーグは今年2月、「過去2年の間で、アップルの中核アプリのクオリティは徐々に劣化している」と述べていた。

iFixitによると今回の不具合の原因はそもそも、iPhone 6/6 Plusの発売当初に問題になった、デバイスの折れ曲がりやすさに起因するものだという。端末のゆがみが内部のチップを浮き上がらせ、この問題が発生しているとiFixitは指摘する。その後発売されたiPhone 6s/6s Plus等の後継機種では、タッチ病の発生は報告されていない。

この件は近日、新製品発表を行なうアップルのティム・クックCEOに多大なプレッシャーを与えることになりそうだ。来月のiPhone7のイベントで、クックはこの問題に関し口を閉ざし、同社の輝かしい歴史のみを語ることも考えられる。しかし、タッチ病の発生はユーザーたちにとって決して無視できる話ではないだろう。

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編集=上田裕資

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