「子供のスマホ依存」を描くドキュメンタリー映画、米国で密かな人気

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フェイスブックやビデオゲームに振り回されるようになる以前から、ティーンエイジャーらはストレスに満ちた生活を送っていた。しかし、現代はネットへの依存がさらに彼らのストレスを増加させている。ネット依存は子供の学習意欲を減退させ、家にこもる時間を長くし、さらにはうつ病を引き起こす可能性まであるという研究結果が報告された。

アカデミー・オブ・フィンランド(Academy of Finland)の研究チームは、ヘルシンキに住む12歳から18歳、3,000人以上を対象に、インターネットの利用状況と学校での様子に関するアンケート調査を実施。その結果を「Journal of Youth and Adolescence」に掲載した。それによると、学習意欲が低い生徒ほど、過度なインターネット利用に走る傾向があるいという。

ネットのしすぎと学習意欲の低下の因果関係ははっきりしないが、子供は学校に興味がなくなったとき、ネット依存に陥りやすいことは明らかだ。5月にCommon Sense Mediaが発表した調査結果によると、ティーンエイジャーの50%が携帯端末に「依存していると思う」と回答している。また、67%のティーンエイジャーがスマホを持ち、1日に6時間以上もスクリーンを眺めているという報告もある。

スマホを手放せない子供たちを映画化

医師で映画制作も行うDelaney Rustonは、子供たちが過度なスマホ依存に陥らないよう、親が積極的に取り組むべきだと警鐘を鳴らす。子供と話し合い、インターネットの利用にルールを設けることを彼女は勧めている。

「親たちは子供任せにし過ぎています。それは彼らのためになりません」と彼女はフォーブスの取材で答えた。彼女は2月にアメリカで公開された「スクリーンエイジャーズ~デジタルエイジに育って(Screenagers)」というインディペンデント映画で、スマホを手放せない子供たちを取り上げた。

アカデミー・オブ・フィンランドの研究によれば、ネット依存症と学習意欲低下の問題に対処すべき重要な年齢は、13歳から15歳だという。ただし、子供たちを無理やりネットから遠ざけることは逆効果を生む。

Rustonの映画ではダイナーで食事をとる子供たちが、全員のスマホをテーブルに置き、一番先にスマホの画面を見てしまった者が、食事代を払うといったゲームに興じる姿も描かれている。子供のネット依存を防ぐにはまず親子の対話と、子供たちが自分の判断で適度な使用を心がけるよう、自主性を育む努力が必要なのかもしれない。

編集=上田裕資

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