「トランプ阻止」でシリコンバレー団結、FB創業者ら145名が公開書簡

ドナルド・トランプ(Photo by Marc Piscotty/Getty Images)

7月18日開催の米共和党の全国党大会を控え、テック業界のリーダーらがドナルド・トランプの正式指名阻止に向けて立ち上がった。

7月14日、合計145名のシリコンバレーの有力者たちが公開書簡を発表し「トランプは未来のイノベーションを破壊する」と、強く非難した。この書簡には有力企業幹部や投資家、スタートアップ企業関係者らが数多く参加している。賛同者のうち52名は企業のCEOで、83名は創業者もしくは共同創業者だった。

各人は所属企業を代表するのではなく、個人としてこの動きに加わった。書簡では「進歩的な移民政策」、「メディアの自由」、「多様性に富む社会を実現する楽観的ビジョン」の必要性を訴えている。下記に原文を一部要約しつつお伝えする。

テクノロジー領域のリーダー達から、ドナルド・トランプの米大統領選立候補宣言に宛てた公開書簡
“ 私たちは様々な立場からテクノロジー業界をリードする者たちです。米国のイノベーションは世界もうらやむ地位にあり、広く繁栄をもたらし、世界をリードするものとなっています。

我々 は寛容性ある国家こそが、様々なチャンスや創造性、知的活動を育むと信じます。ドナルド・トランプにそのような姿勢はありません。彼の選挙活動は怒りと偏狭さ、新しいアイデアや人々への恐れに立脚するものです。さらに現代のアメリカは弱く、衰退しているという考えに立っている。

彼のこれま での行ないを見てきた結果、トランプはイノベーションを大きく阻害する人物であるとの結論に達しました。イノベーションを生み、成長をもたらす基本的考え ――自由なアイデアの交換や、人々の自由の推進、外部の世界の人々と生産的な取り組みを行なうこと――、トランプの掲げるビジョンはこれらと真っ向から対 立するものです。

多様性こそが我々が未来に向かう力の源泉です。優れたアイデアは社会の全ての階層から生み出され、我々はそれをクリエイ ティブな力に変えて行かねばなりません。進歩的な移民政策は、世界各地から優秀な科学者や起業家、クリエイターらをこの国に呼び込みます。実際のところ、 フォーチュン500企業の4割は移民、もしくは移民の子供が立ち上げた企業です。

ドナルド・トランプは民族や人種に対す偏見を煽り、女性たちを繰り返し見下し、移民に対するあからさまな敵意を表明し続けています。彼は米国とメキシコの間に万里の長城を建設し、移民を排斥すると述べています。

ドナルド・トランプはまた“国家の安全上の目的”でインターネットの一部を遮断しようとしており、これは彼の惨めな判断能力とテクノロジーに対する無知を表しています。彼はまたメディアの自由を奪おうとしており、彼を批判するメデイアに罰を与える欲望を持っています。

テ クノロジーの発展のため、国家が果たす役割は非常に大きなものです。ドナルド・トランプは突飛で偏見に満ちた政策を思いつきで言っているだけであり、何の 具体的政策もありません。彼の無謀で無理解な姿勢は、アメリカ企業に大きな脅威を与えます。ドナルド・トランプは市場を混乱させ、輸出を減らし、この国の 雇用に減速をもたらします。

私たちはドナルド・トランプの大統領選出馬に反対します。私たちが望むのは、この国のテクノロジー業界を育ん だ理念――表現の自由、移民に対する寛容な姿勢、機会の均等、リサーチやインフラ部門への公的投資、さらに法に対する敬意。そのような理念を持つ人物で す。どんな人でも受け入れる土壌があってこそ、アメリカのイノベーションは継続され、様々な機会を生み、繁栄をもたらし、正しいリーダーシップが生まれる ものと信じます ”
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編集=上田裕資

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