オフィスのデザインも仕事に影響する? 企業が知っておくべき3つの「職場指数」

Paul Harizan / gettyimages

時代と共に職場も変化を続けるなか、一歩離れたところから自分たちの現状と今後の方向性を評価することは重要だ。ステープル・ビジネス・アドバンテージ(オフィス用品大手ステープルズのBtoB部門)では、2年前から毎年「職場指数」を発表している。アメリカとカナダの企業で働く従業員たちが何を重視しているのか、テクノロジーや健康、オーバーワークなど多岐にわたる問題について調査を行い、まとめたものだ。

2016年の職場指数報告書は、6月7日に発表された。その中から、是非とも知っておくべき3つの問題を挙げる。

従業員は疲れ果てている

アメリカでは(世界的にも)従業員のエンゲージメントをめぐる問題があることは、既に多くの報告で示されているが、その一因はオーバーワークかもしれない。調査に回答した従業員のほぼ半数が、自分は働き過ぎだと感じていると答えた(多くの人が通常週40時間以上労働と回答)。

働き過ぎの原因トップ3は仕事量、時間的制約と上司からのプレッシャー。こうした問題があると、従業員たちは転職を考えるようになるため、回答者の半数近くが転職を考えていると答えている。問題の軽減に役立つとして従業員たちが挙げたのは、当然ながらまずは職場の柔軟性実現。その次が作業量の軽減と、組織的な休憩の奨励だ。

ワーク・ライフ・バランスではなくワーク・ライフ・インテグレーション(仕事と生活の統合)になっていることが問題だ。その問題解決において重要な職場の柔軟性向上は、もはや従業員の享受できる特典ではなく、事業戦略だ。

仕事をするための適切なツールがない

回答者の75%近くが、仕事をする上で役立つ最新のツールやテクノロジーへが利用できない回答した。テクノロジーが従業員にとって重要な職場環境の一つであることを考えると、これは大きな問題だ。

私がこれまでに見てきた多くの組織でも、従業員は自分の仕事や同僚との関係を楽しみながらも、仕事のやり方には不満や困難を感じていた。仕事をするための適切なツールがないと、従業員はやる気をなくし、憤りを感じるようになる。各組織は最新の、適切なツールを備えるために、今よりも努力するべきだ。

従業員に、組織が“これで十分”と考えるツールへのアクセスを認めるだけではなく、導入するテクノロジーを選ぶプロセスに従業員を関与させることが、解決策の一つになるだろう。
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編集=森 美歩

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