恋人の射殺現場をFBライブ配信し370万再生 米、投稿女性に支援の声

7月6日夜、米ミネソタ州で黒人男性が警官に射殺された事件の翌日、抗議活動での場面 photo by Stephen Maturen / gettyimages


動画の公開基準はどうなる?

しかし、今回のレイノルズの動画はフェイスブックライブの速報性や圧倒的 伝達力が諸刃の剣であることも示した。動画が一時的に非公開にされた理由が何であれ、彼女のボーイフレンドが血の海に横たわる映像は、フェイスブックが今後、このような映像をどう扱うかという大きな課題を浮上させた。フェイスブックライブは今年初頭のリリース以来、何度も同様な試練を迎えている。

不可思議な理由で動画が非公開にされた事例もある。4月には民主党のバーニー・サンダースを支持するグループのライブ動画が一時的に非公開にされた。フィリピン大統領のロドリゴ・ドゥテルテ関する投稿も、相次いで取り下げられた。6月にはフランスのテロ容疑者が恐怖心を煽る動画を投稿し、大きな注目を集め、容疑者のアカウントは即時に凍結され動画は削除された。さらに、先月は28歳のシカゴ在住の男性が、自身の自殺の様子を投稿した。この動画は何故か削除されておらず、現在までに100万回近く再生されている。

フェイスブックは今、重大な任務に直面している。同社で動画の監視にあたるスタッフらは、膨大なコンテンツの海の中から、検索テクノロジーやユーザーからの報告をもとに、何がふさわしく、何が不適切であるかを見極め、論理的整合性をもって対処することが求められる。

レイノルズの動画が一時的に非公開となった理由は、ユーザーからの訴えが一定数に達した、もしくは同社のプラットフォームが自動的に「刺激の強すぎるコンテ ンツ」とみなしたためとも推測される。しかし、世界最大のソーシャルメディアには、その判断における高い透明性と、その基準を積極的に明かしていく姿勢が求められる。何が削除の対象になり、何が許されるのかを示し、ユーザーらにそれを理解させる必要があるのだ。

フェイスブックは暴力やグロテスクな表現を含むコンテンツに関するポリシーを次のように定めている。「公共の関心や懸念の対象となっている事柄に関するイメージは、削除の対象にはな らない。しかし、それらが暴力を賞賛したり、サディスティックな快楽を目的としてシェアされた場合には削除される」

また、ユーザーに対しては、コンテンツのシェアにあたり、自己の責任を注意深く考えるよう呼びかけている。動画を誰が見ることになるのか、刺激の強すぎる内容が含まれている場合は、警告の一文を添えるように求めている。

フォーブスはこの件でフェイスブックに回答を求めたが返答は得られていない。

編集=上田裕資

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