ビジネス

2016.07.07 08:30

世界の富裕層を惹きつける「中東のドナルド・トランプ」

不動産開発企業DAMACのフセイン・サジュワニCEO(写真=シダース・シバ)

物件を購入した方には、BMWがついてきます。

中東ドバイに拠点を置く不動産開発企業「DAMAC(ダマック)」は、型破りなマーケティング手法で世界を驚かせ、急成長を遂げてきた。2002年の創業以来、1万5,500戸以上のマンションを分譲し、さらに4万戸の開発を予定している。

同社の株式の72%を所有するフセイン・サジュワニCEO(63)の推定資産は32億ドル(約3,215億円)に上る。

本人は「幸運と先見性のおかげ」と、成功の理由をそう分析する。

「誰かが扉を開くたびに、私は走ってチャンスに飛びついたんだ」

01年、ドバイで外国人の不動産所有が解禁されるや、サジュワニはヴェルサーチなどの有名ブランドと組んで高級不動産開発に着手。世界中の富裕層を引きつけてきた。

そして、もう一つ。「政治と距離を置いている」点だ。開発パートナーには、反イスラム発言で物議を醸している米大統領候補の“不動産王”ドナルド・トランプの名も。

「トランプは、ゴルフコースの運営が上手ですからね」

フセイン・サジュワニ◎ドバイに拠点を置く不動産開発大手「DAMAC(ダマック)」の創業者兼CEO。米ワシントン大学卒業後、アブダビのガス会社の営業職を経て、1983年に同地でケータリング会社を起業。ドバイでのホテル業を皮切りに、高級不動産開発に進出。外国人への不動産販売規制が緩和されたのを機に、大手デベロッパーに躍進した。

文=Forbes JAPAN編集部

この記事は 「Forbes JAPAN No.24 2016年7月号(2016/05/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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