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2016.07.01

世界初の「ビットコイン上場投資信託」 米SECで間もなく承認

Photo by Noam Galai/Getty Images for TechCrunch

映画「ソーシャルネットワーク」でマーク・ザッカーバーグの敵として描かれたウィンクルボス兄弟。その2人は今、世界初のビットコインETF(上場投資信託)の立ち上げに向けて動いている。兄弟は6月29日、証券取引委員会(SEC)に提出した申請書にいくつかの修正を加えた。

当初、兄弟は「ウィンクルボス・ビットコイン・トラスト」(銘柄コード:COIN)をナスダックに上場させる予定だったが、多くのETFが上場先として選んでいるBATSグローバル・マーケッツ・ブランドに変更した。BATSはナスダックよりも先進的なテクノロジーで知られている。

今回の修正で、兄弟はビットコインの管理者にGemini Trust Companyを指名している。また、ETFの価格はビットコイン取引所「Gemini」における米国東部標準時間の午後4時時点の価格に連動する。1株の価格は、ビットコインの10分の1の価格に設定される予定だが、実際のローンチ日が確定した段階で変更になる可能性がある。今回の修正により、いよいよ承認日が近づいたと言えるだろう。

ビットコインは安全資産と見る投資家も

ビットコインは2009年に発明された暗号通貨。現在の価値は約680ドルに達し、時価総額は100億ドルを超えている。ウィンクルボス・ビットコイン・トラストは、世界初のビットコインETFになる可能性が高く、承認されれば大きな需要が期待される。仮想通貨の熱心な支持者はビットコインを現物で保有したがるが、多くの人は投資対象として期待しており、税金メリットが得られる口座での取り引きを望んでいる。

ビットコインの価格はかつてほど乱高下しなくなったとはいえ、この1年間で2倍に上昇しており、個人投資家も機関投資家もビットコインへの投資を待ち望んでいる。ギリシャやイギリスのEU離脱によって伝統的な資産価格が下落した中、ビットコインの価格は上昇したため、投資家の中にはビットコインを安全資産と見る向きもある。

ARK Investment Managementとビットコインの取引所のCoinbaseが最近公表したレポートによると、ビットコインの価格は他の資産クラスと全く連動していないため、リスクを分散するには最適な投資対象だという。ビットコインの投資信託には他にも「Bitcoin Investment Trust」(GBTC)があるが、SECの承認を受けておらず、一般的なETFとは呼べない。
 
ビットコインの総量は2,100万コインと決められており、採掘量は4年ごとに半減するようにプログラミングされている。次回の半減期は約2週間後に訪れるが、需要が変わらずに供給量だけが半減すれば価格は上昇するだろう。こうしたタイミングから考えても、ウィンクルボス兄弟のビットコインETFには注目が集まりそうだ。

編集=上田裕資

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