あなたの判断力を鈍らせるかもしれない4つの感情

Jetta Productions/Walter Hodges / gettyimages

感情は、人の決断にきわめて興味深いかたちで影響を及ぼす。朝の夫婦喧嘩が午後の仕事上の決断に影響を及ぼす可能性もあるし、母親の健康にまつわる不安が仕事でのリスク回避につながることもあり得る。

感情が有益にはたらくこともある。ちょっとした不安は、大胆すぎる賭けに歯止めをかけてくれるかもしれない。怒りは、権利を侵害されている人のために声をあげるという決断を後押ししてくれるかもしれない。

だが時に、感情が判断力を低下させることもある。強い悲しみを抱えていると、行動を起こせないかもしれない。恐怖や拒絶が原因で“安全地帯”から出ようと思わなくなる可能性もある。

最善の決断を下すには、自分の感情についての認識を高めることが重要だ。あなたの判断力を曇らせる可能性のある4つの感情の作用を以下に示す。

1. 怒りと困惑はより大きなリスクを招く
強い感情が自制心を損なわせることは、複数の研究で報告されている。怒りと困惑は、あなたをハイリスク&ローリターンな賭けに走らせやすい。たとえば機嫌が悪い時には、宝くじに大金をつぎ込む可能性がより高くなる。

そして負けるとさらに怒りや困惑を感じる可能性が高く、こうした激しい感情はさらに自滅的なリスクをとる傾向を強くしかねない。

2. 興奮は勝算を過大評価させる
スロットマシンが明るい光を放ち、大きな騒音を立てるのは、ギャンブラーを興奮させるためだ。複数の研究報告によれば、カジノにいる人は興奮すればするほど、スロットマシンに投入する金額が高くなる。

カジノに限らず、導入すれば生産性が高まる可能性のある新製品であれ、収入が3倍になる新サービスであれ、人は興奮状態にあると、それに賭けてみようという気持ちがより強くなる。現実のリスクを過小評価し、リターンの可能性の方に重点を置くようになるのだ。

3. 悲しみは目標を低くさせる
悲しみを感じていると、人は期待値を引き下げる可能性がある。ある研究では、被験者たちにさまざまなものを販売させたところ、最も価格設定が低かったのは悲しみを感じている被験者たちだった。

期待値を引き下げると、あなたの最大限の可能性を発揮できない可能性がある。気持ちが落ち込んでいると断られることを恐れて交渉をしなかったり、上手くいかないことを恐れて昇進のチャンスを見送ったりする場合があるからだ。
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編集=森 美歩

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