インベスコ・アセット・マネジメント株式会社 佐藤秀樹 代表取締役社長兼CEO(photograph by Koichiro Matsui)

世界20カ国以上に展開し、約86兆7,000億円の運用資産を有する世界有数の資産運用会社、インベスコ・グループ。その日本法人であるインベスコ・アセット・マネジメントは、この3年で運用資産を倍以上に伸ばした。日本市場における成功要因を、同社代表取締役社長兼CEOの佐藤秀樹氏に聞いた。

インベスコ・グループは米国のアトランタに本拠を置き、世界20カ国以上に展開している資産運用会社です。その最大の特徴は、どの金融機関の系列にも属さない独立系を貫き、運用のみに特化して今日に至っていることです。グループ全体の運用資産残高は、日本円にして約86兆7,000億円。ニューヨーク証券取引所に上場され、時価総額は約130億ドルにもなります。その日本法人が、インベスコ・アセット・マネジメントです。

私が代表取締役社長兼CEOに就任したのが、2012年9月。就任当時の運用資産残高は約1兆6,700※億円でした。就任直後、私は今後5年間で運用資産残高を倍増し、収益を2.5倍にするという目標を掲げました。結果として、3年間で所与の目標をほぼ達成できたわけですが、その成長ドライバーになったのは、「選択と集中」です。(※ 運用資産残高は投資一任/投資助言(国内/海外)、投資信託(公募・私募)、グループ会社のサブアドバイス等の合計)

投資対象はたくさんありますが、運用会社としてそのすべてに対応するのは困難です。そうであれば、得意分野に特化して伸ばす。そこで米国REITや外国債券、バンクローンなど、お客様のニーズに合う商品の提案強化を行いました。

組織を活性化させる3つのこと

その結果、米国REITを組み入れて運用するファンドの純資産総額は6,000億円から1兆4,582億円まで倍増し、外国債券を組み入れて運用するファンドは2,432億円から7,624億円に約3倍増。バンクローンを組み入れて運用するファンドは469億円から4,038億円に約8.6倍増となり、全体の運用資産残高の増加につながりました。

この3年間の成長は、選択と集中を進めたことに加え、社内や販売会社とのコミュニケーションの強化を図ったことが、功を奏したと考えています。

組織は100人を超えると、会社の方向性が見えにくくなります。だからこそ、1カ月後、半年後、1年後、そして5 年後の目標を立て、今自分たちがどこにいるのかを、常に社員と共有してきました。それとともに、社員には「情報を共有すること」「悪いニュースは早く伝えること」「いつまでに誰が何をするのかを決め、口に出して言うこと」という3つを求めました。これは案外、組織の中でできるようでいて、できていないものです。それらを徹底することで、組織は確実に活性化します。

また、販売会社とのコミュニケーションを図るために、マーケティングの要素を積極的に取り入れました。

「オース」と「ラリア」というゆるキャラをつくって販売会社に派遣したり、「ゆるキャラグランプリ」にも参加しました。ちなみに時々、私もぬいぐるみに入ってパフォーマンスしています。YouTubeやFacebookなどのSNSを活用した情報発信も積極的に行っています。社員の有志一同でAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」を踊り、その映像を配信した時は、私に「踊る社長」という異名が付いてしまいました。それくらい、この映像はたくさんの方に見ていただけたようです。

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文=鈴木雅光

 

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