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2016.06.23

不動産市場の「資産リッチ」と「キャッシュリッチ」とは[不動産で資産運用 第2回]

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億単位で不動産投資を行っている投資家とはいったいどんな資産背景をもっているのでしょう?

不動産市場にいる資産家と呼ばれる人たちを大きく分けると「キャッシュリッチ」と「資産リッチ」、「スーパーリッチ」という3つのタイプに分類することができます。前回に続き今回は、「キャッシュリッチ」と「資産リッチ」の2つのタイプを最初に説明し、その先のスーパーリッチについてお話していきます。

資産リッチ:家業/地主タイプ

まず、資産リッチタイプは何代も資産を受け継いできた地主系の資産家がこのタイプの代表です。家業/地主タイプの人たちの中でも代々資産家という家系は、百年以上かけてその資産を引き継ぎ、守って、増やしてきたタイプも存在します。

資産リッチの特徴のひとつに、資産リッチ=キャッシュリッチではない場合があります。つまり、不動産等の膨大な資産があっても、それは評価額であって、お金を生む資産ではない場合があるということです。お金を生まない資産にお金を生ませるには、売却等の現金化をする必要があります。あるいは、賃料収入等があるビルや賃貸物件に置き換えしなければ、キャッシュを生み出すことはできません。

資産リッチは相続が発生したときに多額のキャッシュが必要になります。不動産という現物は、移動することもそのまま分けることが出来ません。そして、多額の相続税を支払うためにもキャッシュが必要になります。

したがって、資産リッチである家業/地主タイプの場合、不動産を売買する目的が単に「不動産に投資して儲ける」だけではなく、税金を含めた相続対策の場合もあります。

資産を守るため相続対策等の“ディフェンス”と投資という“オフェンス”を同時作業で行う必要があります。一般の投資とは違い、相続までを見据えた緻密な投資行動をするのがこのタイプの特徴です。

キャッシュリッチ:事業家タイプ

次は事業家に代表されるキャッシュリッチタイプ、つまりプロの投資家たちです。事業として不動産投資をおこなっているこのタイプは、金融機関からの融資を利用し、キャッシュを生み出すビルや賃貸物件を購入して事業拡大していきます。

さらに、売却益がでるなら不動産を売却してキャッシュを増やし、再投資して資産拡大していきます。前述の資産リッチとの違いは、ディフェンスよりオフェンスを優先して、不動産を増やしていくことです。
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文=黒木陽斗

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