ビジネス

2016.06.03

疑惑のユニコーン「セラノス」 1兆円の企業価値がゼロになった理由

「セラノス」創業者のエリザベス・ホームズ(Photo by Lisa Lake/Getty Images)


ARCH Venturesのロバート・ネルセンは、「新しい検査技術の普及には時間がかかる上、低価格の臨床検査に取って代わろうとすると利幅がさらに圧縮されるため、ビジネスとして非常に厳しい」と話す。ネルセンは、フォーブスの「最も活躍したベンチャー投資家100人(Midas list)」でヘルスケア部門のトップにランクされたベンチャーキャピタリストだ。

また、ベンチャーキャピタルのVenrockでヘルスケア担当のパートナーを務めるロバート・コッチャーは、「もしセラノスの技術が本物であれば、ラボラトリー・コーポレーションやクエストと同じビジネスモデルをゼロから作り上げるのではなく、検査機器を販売した方がより大きな価値を生み出すことができる」と指摘する。

ホームズは、8月に行われるアメリカ臨床化学会でセラノスのデータを発表する予定だ。その内容次第で、セラノスの技術の信ぴょう性を少しでも高められるかもしれない。エリザベス・ホームズ一連の疑念によって現在、「アメリカで最も成功した女性」をはじめ、フォーブスが発表している全ての富豪リストから姿を消している。

編集=上田裕資

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