「新しい取り組み、より良い手法」はすべてテクノロジーだ

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では、「テクノロジーの未来」に企業はどう対応すればよいのだろうか。世界各国の企業のCIOやCTOで構成されるフォーブス・テクノロジー・カウンシルでは、以下のような提言をしている。

1. 未来を見据えて採用せよ

多くの企業は、現在のニーズに従って人を採用しがちだ。むしろ、大切なのはクリエイティブ(創造性豊か)な人材や好奇心旺盛な人々を採ること。「遠い未来」も気づけば、すぐそこに来ていたりする。だからこそ、時代の変化に適応できる組織づくりと人材育成が重要である。

2. 後追いになることを恐れるな

直観に反するかもしれないが、最新のテクノロジーに飛びつくのは禁物だ。未来でも生き残りたいのなら、長期的な戦略が必要となる。技術は日進月歩であり、その多くは失敗に終わる。なので、競合を生贄にすればよい。他社が欠陥を見つけ、別の方策を試せば、不要な開発をせずに済む。その多くが次第に淘汰され、業界リーダー候補が出てくるはず。そのときを狙うのがよい。

3. 組織や体制をオープンに

製品や事業内容、システムを開かれたものにすることで、さまざまな顧客の注文に対応できる。また、そうすることで柔軟なビジネス戦略を取れるはずだ。

4. アイデアは記録し、抽象化せよ

あらゆるものを記録しよう。人の記憶は曖昧なものだ。アイデアのきっかけや取り組みを保存しておけば、それを未来への道標にできる。また、アイデアの抽象化も有効だ。アイデアの真髄を理解し、磨く手掛かりとなる。

5. 業界トップレベルを基準にせよ

どんなプロジェクトを進めるときも、亜流は避け、必ず業界で最高のものを基準にすること。変化が必要になっても、根幹がしっかりしていれば対応できる。

6. 変化を受け入れること

約束された未来などない。技術は進歩し、人々のニーズや嗜好も変わる。どのみち、変化は訪れるのだ。それならば、常に変化に対応できるよう、柔軟なシステムや組織にしたほうがいい。

7. 未来を念頭に開発せよ

プロダクトやサービスを開発しているとき、未来の変化にも対応できるよう試すこと。

8. 従来のビジネス思考は通用しない

かつてはシステムや組織をつくるとき、長期間耐えられるように設計をしたものだ。しかし、もうその時代は終わった。これからは絶え間なく訪れる変化に柔軟に対応できる適応力がカギとなる。
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文=フォーブス ジャパン編集部

この記事は 「Forbes JAPAN No.23 2016年6月号(2016/04/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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