ビジネス

2016.05.25

群馬・桐生発「在庫ロス」から生まれるオーダーメイドな一着

社名の「フクル」は「『服を作る』のすべてを叶える」から。

起業家から、NPO、大学、老舗企業まで、住民総出の街づくり。あなたの街でも、すぐに真似できるモデルがあるかもしれない。全国23拠点を持つトーマツベンチャーサポートからの協力を得て編集部で厳選した、今、最もおもしろい地方のアイデア集。

“在庫ロス”から生まれるオーダーメイドな一着

織物の町、群馬県桐生市の縫製工場に生まれた木島広(39)は、日本の繊維業界が抱える深刻な問題を悶々とした思いで見つめていた。

新興国での大量生産により、国内の縫製工場は激減。若手も少ない。倉庫に眠り続ける、生地やボタンなどの在庫の山にも心を痛めた。既存のモデルとは違う構造が必要ではないか。

小ロット生産では、縫製工場に負担がかかるため、木島はマス・カスタマイゼーション(個別大量生産)に特化した開発を進めた。ITを駆使し、客がウェブ上で選んだデザインと、倉庫に眠るパーツを組み合わせる。縫製以外の工程はすべてIT化する。まずはプライベートブランドから。近い将来、システム自体を他社に提供したいとも考えている。

フクル@群馬県桐生市
2015年設立。代表の木島は、コム・デ・ギャルソン、イオン、とアパレル業界の両極を渡り歩いた。社名の「フクル」は「『服を作る』のすべてを叶える」から。サービスは今年4月リリース予定。
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フォーブス ジャパン編集部 = 文

この記事は 「Forbes JAPAN No.22 2016年5月号(2016/03/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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