10億人が使うWhatsApp「デスクトップ版」が本格始動 Slack追撃を開始

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10億人以上のアクティブユーザー数を誇る世界最大のメッセージアプリ、WhatsApp(ワッツアップ)が5月11日、Windows 8とMac OS 10.9以上に対応した初めてのデスクトップアプリを発表した。ワッツアップのデスクトップ版が軌道に乗れば、Slack(スラック)等のメッセージアプリの牙城を崩す存在となるかもしれない。

新デスクトップアプリはダウンロード後、モバイル版でQRコードを読み取るだけで、設定が完了する。フェイスブック傘下のワッツアップは2015年1月、ウェブクライアント「WhatsApp Web」を発表し、既にPCでも利用可能になっていた(当初はアンドロイドとWindows Phone用のみだったが、のちにiOS用もリリースされた)。

だが、今回のデスクトップアプリではキーボード・ショートカットが使えるほか、ブラウザ内のタブではなく専用ウィンドウでメッセージを表示できるようになった。

「今回はネイティブアプリであるため、デスクトップ通知が利用できるほかキーボード・ショートカットの機能も改善されています」とワッツアップはブログ上で説明している。

これまでワッツアップ用のデスクトップアプリを他社が開発したことはあったが、ワッツアップが独自のソリューションを提供するのは初めてだ。チャットアプリはメールよりも速くて効率が良いため、特にビジネスパーソンの間で人気が高まっている。

Slackがビジネスで使われることが多いのに対し、ワッツアップは友人や家族とのコミュニケーションに使われることが多い。しかし、絶大な人気を誇るワッツアップのグループメッセージを利用している企業や組織は多数存在する。顧客とのコミュニケーションに利用している宝石小売店もあるし、インドでは政治家がワッツアップを選挙活動で使ったケースもある。

ビジネスで使うメッセージアプリとしては今のところSlackが優勢だ。ワッツアップと比べてプライベートで利用することが少ないため、誤ってプライベートなメッセージを仕事相手に送ってしまうリスクも少ないからだ。

ワッツアップの新しいデスクトップアプリは今後、管理者用ポータルやモバイル管理機能などが追加されれば、ビジネス用メッセージアプリとしての魅力が増すかもしれない。しかしそれが実現するのはまだ先のことかもしれない。

編集=上田裕資

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