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2016.04.11 16:01

「世界のフィンテック50社」 投資・トレーディング部門2社

[左]Kenshoの創業者Daniel Nadler[右]Motifの創業者Hardeep Walia (photograph by Christian Peacock)

いま、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語、「Fintech(フィンテック)」がバズワードになっている。フォーブスが選んだ50社のうち、投資・トレーディング分野の注目2社を紹介する。


CIAも投資・導入した金融情報の解答マシーン

Kensho(ケンショー)
ビッグデータと機械学習技術を組み合わせ、様々な出来事がマーケットに与える影響を分析

拠点:マサチューセッツ州ケンブリッジ
創業者&CEO:Daniel Nadler(32)
資金調達:Goldman Sachs、Google Ventures、 General Catalyst、 CIAのベンチャー・キャピタル部門などから5,800万ドルを調達
企業価値:5億ドル
脅威を与える対象:アナリスト、曖昧な知識で取引をしているヘッジファンド

「ヨーロッパでのテロ事件は、防衛株にどのような影響を与えるか? 」— こうした問いに対しKenshoは、自然災害や政治、企業収益といった9万以上の出来事の相関性を分析することにより、6,500万の質問に独自の解答を作成する。以前なら40人/時を要したリサーチが、Kenshoならわずか数秒。ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカやメリルリンチだけでなく、米中央情報局(CIA) も導入している。



テーマに応じた投資戦略を提供 サービス展開で銀行とシナジー

Motif(モティーフ)
投資家が1取引9.95ドルで、最大30の株式からなるETFのようなポートフォリオをデザイン、共有、購入できるプラットフォームを提供している。

拠点:カリフォルニア州サンマテオ
創業者&CEO:Hardeep Walia(43)
資金調達:Goldman Sachs、JPMorgan Chase、人人網から1億2,600万ドル
企業価値:8億ドル(2015年1月時点)
脅威を与える対象:伝統的なディスカウントブローカーやミューチュアルファンド

Motifの創業者であるHardeep Waliaは、大手銀行とフィンテック企業の関係性の強まりを象徴するマスコットキャラクター的な存在だ。大手銀行からの出資を受け、JPモルガン主導のIPOにも参加。USバンクと共同で開発した投資戦略も展開している。同社は10年に、投資家自身がテーマ別に株式のバスケットを作り、購入し、議論できるプラットフォームを立ち上げた。低コストなロボ・アドバイザーも導入。個人顧客の数はすでに20万人を超えている。

ジャネット・ノヴァク、マット・シフリン = 構成 サマンサ・シャルフ、ローラ・シン、ローレン・ゲンスラー、マギー・マクグラス = 取材 松岡智美 = 翻訳

この記事は 「Forbes JAPAN No.21 2016年4月号(2016/02/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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