テスラの自動運転、香港で認可 「EVナンバーワン都市」を推進

テスラ・モーターズの「モデルS」 (Photo by Ann Hermes/The Christian Science Monitor via Getty Images)

テスラ・モーターズは3月14日、香港のモデルSのユーザー向けに、オートパイロット(自動運転)機能の提供を開始した。オートパイロット機能はステアリング操作や車線変更を半自動化し、縦列駐車も自動で行なえる機能。同機能はソフトウェアのアップデートで利用可能になる。

オートパイロット機能は今年1月、日本でも認可され、香港が最後の未認可拠点となっていた。テスラCEOのイーロン・マスクは昨年10月、オートパイロット機能を発表した際「現時点でこの機能を認可していないのは日本だけだ」とツイートしていた。

しかし、その一ヶ月後、香港の交通当局は「テスラの自動操縦機能と自動車線変更機能は、認可できない」とし、この機能の利用は停止されていた。当局はこの機能の利用は「交通の危険をもたらす」と説明していた。

これに対し、香港のテスラ所有者らは反発。現地のユーザー団体、Charged Hong Kong代表のロッキー・ロー氏は「安全のために搭載された機能が、安全ではないとするのは理屈に合わない」と反発していた。

テスラのモデルSにはレーダーやカメラ、超音波センサーが搭載され、高速道路などのレーンが明確に区分された道路では、ステアリング操作を半自動化し、車線変更等を自動で行う。

「オートパイロット機能により、ドライバーはより安全な運転を行える。居眠り運転をしているトラックや、車間距離が近すぎる危険な車などから自動的に距離を置く機能で、安全性を高めている」とロー氏は主張していた。

今回のオートパイロット機能の認可で、オーナーらの不満はようやく解決された形だが、テスラの自動駐車機能の一部、呼び寄せ機能(Summon function)は依然として香港では未認可だ。この機能はスマホのアプリを用い、車外からクルマを駐車させるものだが、「当局の規制により、香港ではこの機能は使用できない」とソフトウェア上に記載されている。

モデルSは昨年、香港で2000台以上売れた

しかしながら、今回の自動運転の認可は「モデルSの香港での売上を、さらに増加させるだろう」とロー氏は述べている。

「ユーザーたちはハイテクなクルマが大好きだ。テスラの製品はベストだと断言できる。BMWやメルセデス・ベンツはまだこのレベルの製品は送り出せていない」

テスラのモデルSは既に、香港で最も売れるセダンになっており、2015年には2221台が販売された。香港には10箇所の充電拠点、スーパーチャージャーが設置されており、各拠点まで20分のドライブで到達できる。香港は世界で最もテスラの充電拠点が充実した都市としても知られる。

イーロン・マスクは今年1月、香港を訪れ地元のスタートアップ企業のカンファレンスで講演を行った。大気汚染が深刻な香港では、現地を走るEVの70%以上がテスラ製と推定されている。

講演でイーロン・マスクは「香港はいずれ世界で最もEVが導入される都市になる」と宣言していた。

編集=上田裕資

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