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2016.02.27

影響力はカニエよりテイラーの方が上、ニールセン調査結果

2009年MTVビデオ・ミュージック・アワードでのカニエ・ウエスト(左)とテイラー・スウィフト(右)photo by Christopher Polk / gettyimages

ラップ歌手のカニエ・ウエストは先ごろ、自分は映画監督のスタンリー・キューブリックや画家のパブロ・ピカソよりも、キリスト教の発展の基礎を築いた使徒パウロよりも、さらには故人も生存している人もすべて含めたどの人物よりも、5割増しで世の中に対する影響力が大きいと豪語した。

しかし、カニエの友人であるジェイ・Zはこう言った。「男はうそをつくし、女もうそをつく。だが、数字はそうではない」。そしてこのほど、この問題に関する数字が明らかにされた。米調査会社ニールセンが行った著名人やタレントの影響力に関する調査によると、18歳以上の米国人のうち、カニエに影響力があると考える人はわずか24%。一方で、テイラーに影響力があると答えた人は55%だった。

ニールセンは毎週約1,000人の米国人を対象に、著名人ら50人に関する意識調査を行っている。この影響力に関する結果は、プロスポーツ選手や司会者、芸能人などがブランドにもたらす効果を評価するためのニールセン独自の指標、「N-スコア」を割り出す際にも利用されている。

カニエとテイラーの間の絡み合う奇妙な関係は、2009年の「MTV ビデオ・ミュージック・アワード」の授賞式で、カニエがステージ上のテイラーのマイクを奪い、「言わせてくれ、ビヨンセはこれまでで最高のビデオをつくった」と訴えたことに始まる。

カニエ自身をはじめ多くの人が、テイラー・スウィフトが一気にスーパースターの座に駆け上がったのは、この一件がきっかけだったと考えている。カニエは新曲「フェイマス(Famous)」の中でも、みだらな表現でこの一件について語っている。

これが原因だったとしても関連事項のひとつだったとしても、テイラーの稼ぎは2009年から翌年にかけての一年間で1,800万ドル(約20億1,600万円)から4,500万ドル(約50億4,000万円)に跳ね上がり、それ以降も増え続けている。

2月15日に行われたグラミー賞の授賞式で、年間最優秀アルバム賞などを受賞したテイラーは、カニエに狙いを定めたとみられるスピーチを披露。若い女性たちに向けた言葉として、「あなたの名声や業績を横取りしようとする人」に注意しなさいと述べた。そして、「自分の仕事にただ集中し、こうした人たちに脱線させられてはならない」と呼びかけた。

ニールセンの調査によると、カニエより強い影響力を持つのはテイラーだけではない。影響力がある有名人のリストに名を連ねるのは、人気司会者のオプラ・ウィンフリー、映画監督のスティーヴン・スピルバーグ、テニス選手のセリーナ・ウィリアムズなど。オプラ・ウィンフリーは、カニエの3倍影響力があると評価されている。

調査に協力した人の56%は、カニエに対し不快感を持つと答えた。やや信じがたい結果ではあるが、俳優のチャーリー・シーンとNFL選手のレイ・ライス(いずれも53%)を上回っている。カニエ以上に不快感を持たれているのは、歌手のマイリー・サイラス(61%)などわずか数人だ。

ちなみに、グラミー賞授賞式のプロデューサーが発表した声明よると、テイラーは受賞スピーチを行った際、まだカニエの新曲を聴いていなかったという。


編集 = 木内涼子

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