ウーバーが「公式アプリ」になったスーパーボウルの舞台裏

Andy Cross / gettyimages

2月7日に開催された第50回スーパーボウルは配車アプリ、ウーバーにとっても記念すべきイベントとなった。同社は運営側に50万ドルを支払ってスーパーボウル初の「公式配車アプリ」に選ばれ、会場のリーバイス・スタジアム周辺に専用の乗降スペースを確保したのだ。

利用者数は想定を大きく上回り、サービス運営は成功に終わったとウーバーは述べている。今回、ウーバーはアプリ上の地図にバーチャルな柵を設置する「ジオフェンシング技術」を使い、スタジアムを出て帰宅する大勢のファンを15分ほど離れた専用乗降スペースへ誘導した。乗客らは列に並びながらいつも通りの方法で配車をリクエストし、ウーバーの従業員たちが混乱を避けるために交通整理を行った。

「今回は相乗りサービスの“ウーバー・プール”も多く利用されました。このような大きなイベントの運営に携わることができて、光栄に思います」とウーバーの広報担当はフォーブスの取材に答えた。

予想された通り、トロフィー授与式終了後に配車リクエストが急増した。試合観戦で疲れたり、酔っ払った大勢の乗客をさばくことは容易ではない。ウーバーの対応は完璧だったとは言い難かった。

一部には、ウーバーのずさんな対応や、説明もなく1時間待たされたことに対する不満をツイッターに投稿する客も居た。また、専用の乗降スペースから離れた場所でウーバーやLyftの配車リクエストを試みる人もいた。フォーブスの調査では、こうした場所での料金はウーバーの場合で通常の3.1倍、Lyftの場合で1.75倍まで高騰したことがわかった。

しかし、今回のスーパーボウルでウーバーは、シリコンバレーのアーリーアダプターだけでなく、市外から訪れる旅行者にも急速に普及している実態がうかがえた。一部に遅延が発生したとはいえ、大量の乗客輸送をぶっつけ本番でこなしたことは評価に値する。急成長中のウーバーにとって、今回のスーパーボウルは絶好の学習機会になったに違いない。

ただし、顧客たちから手厳しい意見が出ていたことは事実だ。以下に、乗客たちがツイッターに投稿したウーバーに対する不満をいくつか紹介しよう。

・スタジアムのウーバー専用スペースは最悪。運営が悪く、ドライバーが入れない
・ある人がウーバーの従業員に、100ドルを支払うから車を手配してくれと頼んだら、無理だと断られていた
・ウーバーの顧客サポートは最低だ。ドライバーはどこに行けば良いのかわからず、従業員は何と答えて良いのかわかっていない
・ウーバーの乗降スペースの無秩序さは、これまで見た中で最悪だ

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事