世界経済のフレームワーク[高野 真 ニュースの本質]

高野 真 フォーブス ジャパン

2015年10月末から11月初めの2週間。米国西海岸、ワシントンD.C.、ニューヨーク、そして一時帰国してから再びニューヨークへ、と複数の米国都市を訪問した。フォーブス ジャパン編集長としての3人のエコノミストへのインタビューと個人的にコミットしている世界的NPOとNGOのボードミーティングに出席することが目的である。

日本にいるときの日々の情報源は主に日本経済新聞とフィナンシャルタイムズ(FT)だが、良い悪いは別にして両者の紙面構成は全く異なる。大ざっぱに言えば、ローカルな日経に対しグローバルなFT。このコラムを書いた日(11月11日)のFT1面のトップ記事は「Three charged in sprawling Wall Street hacking scam」。一方、日経新聞の1面トップは「耕作放棄地の課税1.8倍に」である。その点、米国はやはりグローバルである。複数のミーティングを経て再びグローバルな感覚を持って日本に帰る。過去20年近く続いた私のルーチンである。

米国経済は回復基調を辿っているが、8月の中国ショックで市場が大きく荒れるなか、ますます金融政策のかじ取りは難しくなった。一方で減速する新興国経済、エネルギー事情、市況の悪化は、まさに一寸先は闇という状況である。

こういうときこそ世界経済の構図とその変化、すなわち世界経済のフレームワークを定点観測で見る眼が必要である。昨年行った世界5賢者へのインタビューに続き、2016年2月号で示される3人のエコノミストたちとスティーブ・フォーブスが語る世界の構図は、見るべき日本への視点を鮮明にしてくれるはずである。

文=高野 真

この記事は 「Forbes JAPAN No.19 2016年2月号(2015/12/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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