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2015.12.25

未来が求めたハワイのカタチ 持続的な理想郷を目指すオーシャンフロントの革新的開発

ディワイト・サイネン/photograph by Shuji Goto

ワイキキとホノルルの間に約20年をかけて新たな未来都市をつくる― 。
全米屈指の不動産デベロッパー、ハワードヒューズ社が手がける大規模再開発プロジェクト「ワードビレッジ」が第2フェーズを迎え、徐々にその姿が明らかになってきた。 世界が注目する同プロジェクトの特徴と魅力、付加価値のポイントを探るべく、東京・白金のセールスギャラリーを訪ねた。

ハワイの豊かな自然と都市機能を融合させ、「住」「職」「遊」のすべてがかなう街を創造する一大プロジェクト。その舞台に選ばれたのは、アラモアナセンターから西に広がるカカアコ地区の7万坪に及ぶ広大な敷地。15年後にはここに20棟のコンドミニアムが誕生し、それらを縫うように公園や遊歩道、商業施設などが一体整備される予定だ。

流暢な日本語でインタビューに応じてくれたのは、セールスディレクターのディワイト・サイネン。彼によると、同プロジェクトはハワイが抱える住宅事情とのかかわりも大きいようだ。

「オアフ島はアメリカ西海岸をはじめ世界中から居住地としての人気が高く、近年は郊外からホノルルに転居したいという地元のニーズも増えています。今後10年間で40,000軒の住宅が必要になるというハワイ州のデータもあるほど。今回のプロジェクトでは総戸数約4000戸、つまり1年分をまかなうことになります」

米国の不動産市場は2008年の金融危機により急落したものの、オアフ島は安定した市場価格を形成し、年平均で約4.7%ずつ上昇しているという点も興味深い。ワードビレッジはアラモアナビーチをはじめワイキキも徒歩圏内。永住を視野に現時点で海外に資産分散をしておくというのも賢い手といえそうだ。

「肝心なのは、ワードビレッジは単なるリゾートではなく、持続的なコミュニティーだということです」とサイネン氏は明言する。「周辺のコミュニティーの声を聞きつつ、私たちは思慮深い、長期的なアプローチを図っています。ハワイの光や風、眺望といった自然環境に配慮して設計しており、例えばゲートウェイ・タワーズは、海と山の位置を軸とした伝統的な土地の分け方を象徴するデザインとロケーションであることもそのひとつ。それにより、ここに住まうすべての人に豊かなライフスタイルをお届けしたいと願っているのです」

第2フェーズでは、そのマスタープランの思想をまとう「ゲートウェイ・タワーズ」と「アエオ」の販売がスタート。ワイキキとは一線を画す高級志向のデザインに関心が集まっている。

目の前にケアロ湾を望むゲートウェイ・タワーズは、「シリンダー」と「ブレード」のふたつの棟からなり、棟の間には植栽や池、遊歩道が織り成すグリーンパークが整備される。とりわけ注目を浴びているのが、世界的な建築家リチャード・マイヤーによる白いシンプルモダンの空間とニューヨークでペントハウスをいくつも手がけるトニー・イングラオとのコラボレーションによるインテリアだ。「景観との調和を最良の形でかなえるマイヤーの光と空間とボリュームの巧みな関係性を上質な素材や設備とともに体感できる機会を得られることは、ファンのみならず高揚感を覚えずにはいられない」とサイネン。吹き抜けのあるduplexの天井高は6.7mを確保。さらに、自然光そのままの色を取り込む最先端の加工技術を用いたガラスが開放感に磨きをかける。

一方、アエオは若き才能を集結したボーリン・シウィンスキー・ジャクソンによる堅牢なつくりで、キッチンは7色からカスタマイズできるなど柔軟な発想が注ぎ込まれている。「最大の特徴は、自然食材を扱うホールフーズ・マーケット旗艦店と建物内で直結すること。現在計画中のホノルルモノレールのカカアコ駅へも近く、快適に暮らせることでしょう」

同2物件はともにラッププールやフィットネスセンター、屋外ダイニングなどアメニティーの充実には目を見張るものがある。年末年始にハワイを訪れた際には現地のギャラリーを見学してみるのも楽しいだろう。ハワイ滞在の概念が一新する日はそこまで来ている。

ディワイト・サイネン○リッツカールトン・ワイキキの開発における日本をベースとしたマネージング・ディレクターを含む、ブランド価値の高い不動産分野に豊富な経験を持つ。16年以上、日本で勉強し働いた経験を持ち、国際マーケットにおける知識も豊富である。

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GATEWAY TOWERS ゲートウェイ・タワーズ
ケ アロ湾へ徒歩3分、白とクリアなガラスを基調とした居室からは空や海、自然本来の 鮮 やかな色を楽しめる。オーシャンビューの絶景付き共用スペースも完備。 販売価格:150万ドル〜—総戸数:125戸—地上27階—間取り:1ベッドルーム〜3ベッドルーム、ペントハウス、ヴィラ
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リチャード・マイヤー&パートナーズ
ロサンゼルスの「ゲッティセンター」をはじめとした数々の建築群で業界を牽引する世界屈指の建築事務所。洗練されたミニマルさ、白い壁、質感と光の巧みな使い方は、ほかの建築物とは常に一線を画す。

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AE’O アエオ
「風」 をモチーフとしたダイナミックな外観とモダンシックな内観。「ホールフーズ・マーケット」の上に住まうという立地条件が付加価値を高める。 販売価格:70万ドル〜—総戸数:466戸—地上40階—間取り:スタジオ、1ベッドルーム〜3ベッドルーム、ペントハウス
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ボーリン・シウィンスキー・ジャクソン
知性と直感性を備えたクリエイティビティーで世界的な注目を集めるデザイン集団。世界主要都市の「アップルストア」や「ユニクロ」 の上海グローバル旗艦店など、多くの注目プロジェクトに携わる。

Ward Village Japan Gallery/ワードビレッジ ジャパン ギャラリー
ガラス張りの明るく心地よい空間で、ワードビレッジのコンセプトやランドスケープ、建物デザインなどを大画面のムービーや模型で紹介。 現地ギャラリーの見学予約など、こまやかなサポートを提供してくれる。
東京都港区白金2-5-16-801 ※シェラトン都ホテル東京の向かい側
問い合わせ:03-5488-6370
http://www.wardvillage.jp

文=Sei Igarashi 編集=Akio Takashiro

この記事は 「Forbes JAPAN No.19 2016年2月号(2015/12/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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