ビジネス

2015.12.20

エイズ薬50倍値上げで炎上の製薬会社CEO 投資詐欺容疑で逮捕

Photo by Andrew Burton/Getty Images

エイズ治療薬の価格を50倍につりあげたとして、メディアの集中砲火を浴びていたマーティン・シュクレリ(32)が詐欺容疑で逮捕された。シュクレリは米製薬会社チューリング・ファーマシューティカルズのCEO。米連邦捜査局(FBI)は12月17日朝、シュクレリをマンハッタンの自宅アパートで逮捕したと発表した。

ただし、シュクレリの逮捕容疑は薬価のつりあげとは関係が無い。彼は以前にCEOを務めたバイオ製薬会社、レトロフィンから追放され、取締役会から訴えられている。捜査当局はシュクレリが当時、彼が運営するヘッジファンドで行った株式取引が、証券取引法に違反するとみて逮捕に踏み切った。シュクレリの詐欺容疑に関し、捜査が進んでいることは今年1月の時点でブルームバーグが報道していた。

シュクレリは先日(12月3日)のフォーブス主催のヘルスケアサミットに登場した際に、彼が逮捕される見込みについて、質問を受けていた。彼は現在の彼のビジネスが真っ当なものであると主張したが、株主に対する責任を感じていると述べ、捜査対象となる可能性があることも認めていた。

「政治家っていうのは誰かを“社会の敵”だと決めつけて、叩きのめすのが大好きなんだ。それが選挙で勝つ方法なんだ」とシュクレリは発言した。

その発言に対し、筆者は「だったら、そいつを刑務所に放り込めば、政治家はもっと人気者になれますね」と返したところ、シュクレリはこう答えていた。

「まったくその通り。エリオット・スピッツァー(ニューヨーク州司法長官)にでも聞いてみればいいよ。でも、結局のところ彼らに捜査権限があるかどうかの問題だけどね」

編集=上田裕資

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