ビジネス

2015.12.01

ベンダー社員を管理する3つの秘訣

pikcha / shutterstock

自社商品の販売やブランド・メッセージの発信のために第三者のベンダーの力を借りることは、Uberのような大手企業にとっても容易なことではない。ましてや、中小企業やスタートアップ企業ともなると、パートナー会社等の”ベンダー社員”との密接な連携への取り組みは、想像以上に難しい。

当社BodeTreeでは、いくつかのベンダー会社に、複数のチャネルに渡って当社システムの販売とサポートをアウトソースしている。彼らと我々は、かなり緊密に連絡を取り合いながら仕事をしている。これらのチャネルが、いわば当社の”代理社員”として、エンドユーザーに当社商品やブランド・メッセージを届けてくれている。確かに、彼らの管理は容易ではないが、内在する困難を乗り越えることができれば、この戦略によってもたらされる利益は計り知れない。我々は、この数年間、こういったパートナーシップの管理の多くを、「正攻法」で学んできた。その努力の甲斐もあり、この分野に関する真の知識を身に付け、成長することができた。私のベンダー社員を管理する秘訣トップ3は、以下の通りである。

全員の利害を完全に一致させる。
パートナーシップを構築し契約を締結させるのは、有能な事業開発担当者であれば容易いことだろう。しかし、実際に契約を履行するともなると、そうとは限らない。このような場合、通常あなたはベンダー会社の複数レベルの社員と関わることになるわけだが、新たなパートナーシップの価値をベンダー側の担当者らに伝えるのが、これまた難しい。途中で、いとも簡単に、構想が行き詰ってしまうことすらある。全てのメンバーが、このパートナーシップが如何に自身の私的利益に役立つかを理解していることが大変重要なのだ。

また、自社の社員たちも、ベンダー会社側で業務遂行に関わっているキー・プレイヤーを把握していなければならない。何が彼らを動かすのかが理解できれば、プロジェクトに対する彼らの興奮と理解をも高めることができるようになる。例えば、意思決定の場面には、積極的に参加したいと思う人もいれば、プロジェクトの成功が、自分自身の個人的な目標達成に役立つと確信したい人もいる。つまり、同じゴールを目指す全員の利害が一致しているかどうかを確認するのは、あなたのチームの仕事だ。

サポートに取り組む。
BodeTreeでは、ベンダー会社の営業チームに、当社商品流通の第一線を任せることも少なくない。日々彼らを直接管理することは不可能であり、またそうすべきでない場合もある。しかしそれでは、彼らが我々に代わって正確なメッセージが届けられているかどうか定かではない。そこで、ベンダー社員らがより効率的に仕事に取り組み、彼らの努力の成果を高められるよう、我々は教育リソースやトレーニングといった定期的なサポートの提供を行っている。

「メッセージは“7つの方法で7回”聞かせるべきだ」という古い格言があるが、ベンダー社員らにあなたと同じ考えを持たせるには、それだけでは足りない。常に彼らに語りかけ、またそれぞれのメッセージを強化させていく必要もある。ベンダー社員向けのトレーニングを行うこともある。彼らの質問に答え、直接指導できるからだ。パートナーシップの成功は、ベンダー社員が頼れる長期的なサポート・ネットワークを提供し続けることで実現する。

積極的に自社ブランドを守る。
他社に自社製品の販売とサポートを任せる際の明らかなリスクは、市場での自社ブランドへの潜在的被害である。ベンダー社員が顧客とのやり取りに失敗し影響を与えるのは、あなたの会社とあなたのブランド・イメージだけだ。顧客が、商品と販売経路を分けて考えることはまずない。販売プロセスをコントロールできない上に、その結果に対する責任を負わなくてはならないなどというのは、ストレス以外の何ものでもない。しかし、アウトソーシングしながら、自社のブランド・イメージを守る方法はいくらでもある。

まず、もっとも重要なのは、適切なパートナーの選定だ。ビジネスの成功者は、信用、尊敬、そして賞賛できる相手としか一緒に仕事をしない。もしも、これら基準に満たないパートナーがいたら、直ちに関係を解消することをお勧めする。一次審査を通過したパートナーと契約を進めることが決まったら、次はお互いのブランドを「結びつける」必要がある。パートナーが、あなたの商品を販売する場合は、パッケージのすべてを共同ブランド化し、両社それぞれが、商品の位置付けに関心を持つようにする。このようにパートナー側も関与させることで、彼らも商品の位置付けに熟考するようになり、あなたの会社のブランドを自分のブランド同様に大切に扱うようになる。

アウトソーシングに限らず、ベンダー会社が関わる業務は決して楽ではない。しかし、お互いの利害が一致した上で深いパートナーシップが築かれ、またベンダー社員へのサポートを惜しまず、更に市場において自社ブランドがうまく提示されていれば、より大きな企業と張り合うことができるようになる。これは、ここ数年間で当社が非常に役に立ったアプローチであり、これからも当社の戦略のバックボーンの役割を果たすだろう。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

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