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2015.11.25

日本のベンチャー投資家 最も影響力があるのは誰だ?

1位・加藤由紀子(SBIインベストメント)、2位・渡辺洋行(B Dash Ventures)、3位・赤浦徹(インキュベイトファンド)ーー。

「日本版Midas List(最も影響力のあるベンチャー投資家ランキング)」は、今年4月、東証マザーズに上場したバイオベンチャー・サンバイオに投資をした加藤氏がトップとなった。

今回、本誌編集部は、米国「Forbes」が毎年選定している「The Midas List(最も影響力のあるベンチャー投資家ランキング)」の日本版づくりにチャレンジした。

米国版は、IPO(新規株式公開)、M&A(合併・買収)によって得たキャピタルゲイン(値上がり益)、未上場企業の含み益を合わせているが、日本版は2014年11月から15年10月までの1年間におけるキャピタルゲインのみを対象とした。

日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)の協力のもと、61社の会員企業を対象に調査を行った。結果は、ヒアリングできた投資家の数22人。その中からベスト10を選定。本人及び所属企業の了承を得て、3位までは弊誌調査のキャピタルゲインの想定金額も掲載した。

米国版ランキングは「ベスト100」まで掲載され、毎年、その順位を競い合う。それに比べ、日本のベンチャー投資家の層の薄さを、痛感する結果となった。今後に期待したい。



 加藤 
1位
加藤由紀子
■企業名 SBIインベストメント
■投資先 サンバイオ
■金額 66億円
■プロフィール
かとう・ゆきこ◎SBIインベストメント投資第一部マネジャー。アイエヌジー証券東京支店を経て、2002年ソフトバンク・インベストメント(現・SBIインベストメント)に入社し、現在に至る。


 
2位
渡辺洋行
■企業名 B Dash Ventures
■投資先 gumi、Gunosy、アップベイダー
■金額 50億円
■プロフィール
わたなべ・ひろゆき◎B Dash Ventures代表取締役社長。三和総合研究所(現・三菱UFJリサーチアンドコンサルティング)、三菱UFJキャピタル、ngi groupを経て、2011年に同社設立。


 
3位

赤浦徹
■企業名 インキュベイトファンド
■投資先 Aiming
■金額 38億円
■プロフィール
あかうら・とおる◎インキュベイトファンド代表パートナー。1968年生まれ。日本合同ファイナンス(現・ジャフコ)を経て、99年にインキュベイトキャピタルパートナーズを設立。2010年に同社設立。


4位
仮屋薗聡一
■企業名 グロービス・キャピタル・パートナーズ
■投資先 イード
■プロフィール
かりやぞの・そういち◎同社マネージング・パートナー。三和総合研究所を経て、99年より現職。JVCA会長。


5位
村田祐介
■企業名 インキュベイトファンド
■投資先 Aiming
■プロフィール
むらた・ゆうすけ◎同社代表パートナー。エヌ・アイ・エフベンチャーズを経て、2010年に同社設立し、現職。

6位
河野純一郎
■企業名 伊藤忠テクノロジーベンチャーズ
■投資先 クラウドワークス
■プロフィール
こうの・じゅんいちろう◎同社パートナー。ジャフコを経て、2008年に同社入社、現在に至る。

7位
高宮慎一
■企業名 グロービス・キャピタル・パートナーズ
■投資先 ピクスタ、カヤック
■プロフィール
たかみや・しんいち◎同社パートナー、Chief Strategy Officer。アーサー・D・リトルを経て、現職。

8位
田島聡一
■企業名 サイバーエージェント・ベンチャーズ
■投資先 クラウドワークス、カヤック
■プロフィール
たじま・そういち◎同社社長。2005年、都市銀行を経て、サイバーエージェント入社。10年より現職。

9位
今野穣
■企業名 グロービス・キャピタル・パートナーズ
■投資先 Quipper
■プロフィール
いまの・みのる◎同社パートナー、最高執行責任者。外資系経営コンサルティング会社を経て、2012年より現職。

10位
前田信敏
■企業名 ウエルインベストメント
■投資先 —
■プロフィール
まえだ・のぶとし◎同社投資部長。大和企業投資を経て、2008年より現職。14年、NEDO事業カタライザー。

<お詫びと訂正>
2016年1月号68ページ「日本のベンチャー投資家 最も影響力があるのは誰だ?」の棒グラフ上に記載した、ベンチャー投資家のキャピタルゲインの想定金額に関する箇所で「2位 渡辺洋行 金額38億円」を「金額50億円」に、「3位 赤浦徹 金額25億円」を「金額38億円」に訂正して、関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。
また、アンケート調査・投資先の項目に条件外の企業が含まれていました。今野穣氏の投資先の「みんなのウエディング」を削除し、今野氏の順位を5位から9位に変更し、6〜9位を繰り上げさせていただきます。

この記事は 「Forbes JAPAN No.18 2016年1月号(2015/11/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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