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2024.05.17 14:00

AI時代のフリーランス、高収入を稼げる「3つのスキル」

木村拓哉
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Getty Images

興味深い記事が最近、Fast Companyに掲載された。そのタイトルは、「AIのおかげで、フリーランスの黄金時代が到来」というものだ。

ただし、この記事が主な論拠としている事例は、トップクラスのエリートがさらにパワーアップした、いわゆるスーパービルダー層に大きく偏っているようだ。ホワイトカラーのテック系プロフェッショナルで、FAANG(フェイスブック、アップル、アマゾン、ネットフリックス、グーグルの頭文字をとった略語)の元従業員という人たちだ。

それでもこの記事は、こうしたエリート層以外にも適用可能な、有力な論点を提起している。そして、今フリーランスとして働いている人や、これからフリーランスで働きたいと思っている人に、「AIがもたらすメリットは何だろうか?」と考えるきっかけをくれる記事でもある。

Toptal(トップタル)やA-Team(エーチーム)といったフリーランス向けウェブサイトやプラットフォームに登録するのは、上位2%、つまりエリート中のエリートだけだ。とはいえ生成AIの台頭は、この範疇に属さないフリーランスに対しても、とてつもなく大きなチャンスを提示している。超エリートのスーパービルダーに限らず、AIから得られる生産性や、儲けのチャンスを生かせる人であれば、このチャンスをつかめるはずだ。

AI関連のスキルがお金になる技能であることは、今では既知の事実となっている。報酬情報サイトのSalary.com(サラリー・ドットコム)に掲載されているデータによれば、AI関連のスキルセットを持つ者を対象とする求人の平均報酬は約14万1000ドル(約2185万円)、最も高いケースでは22万ドル(約3410万円)以上になる。

今のAIブームを支える、高いスキルを持つトップクラスの人材をめぐっては、争奪戦が起きている。中には、90万ドル(約1億3950万円)という、とてつもない額の報酬を提示する企業もある(例えばネットフリックスは、プロダクトマネジャーの求人で、この額を提示していた)。

だが、(年収100万ドルに手が届くほどの)驚くような高給かどうかはともかく、報酬額の良いAIブームに関連したスキルは3つある。これらのスキルセットを持つフリーランスには、2024年に平均で10万ドル(約1550万円)を超える額を稼ぐポテンシャルがあるだろう。なお、報酬額や給料の平均値は、サラリー・ドットコムとZipRecruiter(ジップ・リクルーター)を参照した。

そのスキルとは、以下の3つだ。

1. 製品管理(プロダクトマネジメント)

ジップ・リクルーターによれば、フリーランスのプロダクトマネジャーの米国における平均年収は15万9405ドル(約2470万円)に達している。このスキルセットの需要が高い背景には、テック系スタートアップが、製品管理のスキルを持つフリーランスのプロフェッショナルを招聘したがっているという事情がある(スタートアップに加えて、主な事業領域がテック系ではないものの、自社の事業を補完するために、アプリなどの製品を必要としている企業もここに含まれる)。

フリーランスのプロダクトマネジャーは、こうした企業において、自身の能力を生かして新たな製品のアイデアを形にする手助けをすることになるだろう。例えば、MVP(minimum viable product:実用最小限の製品)を市場に投入することや、顧客へのアピール力を保つために既存製品にテコ入れするといったプロセスだ。
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翻訳=長谷 睦/ガリレオ

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