リッチリスト

2024.04.25 11:30

2024年版「若き」世界の億万長者たち、日本の佐上峻作社長もランクイン

安井克至

グスタフ・マグナー・ウィッツアー(30歳、ノルウェー)/42億ドル(約6504億円)

父親からサーモン養殖・卸売企業、サルマーASA株の半分近くを贈られたとき、彼はまだ19歳だった。それから11年、父親が会社の経営を続ける一方で、グスタフは不動産とハイテク新興企業への投資に注力している。サルマーASAの株価は過去10年間で800%も高騰し、それに伴ってグスタフの資産も膨れ上がった。2022年には政府に2億9240万ノルウェークローネ(約41億円)を寄付し、現在ノルウェーで5番目に裕福な人物であり、最大の納税者でもある。50カ国以上に輸出するサルマーASAは、世界第2位のサーモン養殖業者である。

ソフィー・ルイーズ・フィエルマン(29歳、ドイツ)/27億ドル(約4181億円)

ドイツの起業家ギュンター・フィエルマンが1月に84歳で亡くなったとき、彼は財産の多くを2人の子ども、ソフィーとマルクに残した。マルク(34歳)が2019年からフィエルマン・グループAGを率いる一方で、ソフィーは同社の役職にはついていないが、現在も株式の約3分の1を保有している。

レオナルド・マリア・デル・ヴェッキオ(28歳、イタリア)/47億ドル(約7278億円)

レオナルド・マリア・デル・ヴェッキオは、世界最大の眼鏡メーカー、エシロール・ルックスオティカのCEOであり、レイバンのオーナーでもある。デル・ヴェッキオと彼の母親、そして6人の異母兄弟は全員、エシロール・ルックスオティカの3分の1近くを所有する一族の持株会社デルフィンの株式を12.5%ずつ受け継いだ。

カタリーナ・アンドレセン(28歳、ノルウェー)/17億ドル(約2632億円)

彼女の一族は、曽祖父が1849年にタバコ製造会社Tiedemanns Tobaksfabrikを購入し、2005年にアンドレセンの父親が売却するまで、同社を一大タバコ帝国へと育て上げた。現在、一族は投資会社のFerd(フェルド)に注力している。カタリーナと妹のアレクサンドラは、それぞれフェルドの42%の株式を所有している。彼女は数年のあいだ取締役会のオブザーバーとして経験を積んだ後、2024年6月に取締役に就任した。

アレクサンドラ・アンドレセン(27歳、ノルウェー)/16億ドル(約2477億円)

姉のカタリーナと同様、投資会社フェルドの株式の42%を保有し、現在は同社の取締役を務める。しかし、彼女の情熱は馬術にも向けられている。オスロでアンドレセン・ドレッサージュという馬の繁殖厩舎を所有し、自身も競技馬術の選手として活躍(馬術のノルウェー・ジュニアチャンピオンに3度輝いた)していたが、脊柱管狭窄症に起因する背中の痛みで現役を引退した。

フィロズ・ミストリー(27歳、アイルランド)/49億ドル(約7587億円)

彼と弟のザハンは、インドのコングロマリット企業、タタ・サンズの4.6%を所有しており、30歳以下の億万長者の中で最も裕福な人物となった。タタは今後数カ月のうちにIPOを行う可能性がある。彼とザハンは、タタの会長であり個人筆頭株主であった祖父が93歳で亡くなり、父もその後3カ月も経たないうちに交通事故で亡くなるという家族の悲劇に見舞われた後、同社の株式を相続した。彼らの叔父であるシャプール・ミストリーが残りの18.4%の株式を保有している。

ドーラ・ヴォイト・デ・アシス(26歳、ブラジル)/11億ドル(約1703億円)

彼女と妹のリヴィアは、2016年に亡くなったブラジルの電気機器メーカーWEGの共同創業者ヴェルナー・リカルド・ヴォイトの孫娘である。2人はそれぞれWEGの3.1%を所有しており、いとこのエドゥアルドとマリアナが所有する3.9%の株式よりわずかに少ない。WEGは135カ国以上に製品を輸出し、世界最大級の電気モーターメーカーである。ドーラもリヴィアもWEGの経営には関与していない。
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翻訳=江津拓哉

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