教育

2023.09.15 11:30

ギャルが校長に。渋谷に「夢につながる居場所」をつくりたい

渋谷女子インターナショナルスクール校長の赤荻瞳

1990年代後半から2000年代にかけて、“ギャル“のトレンドを牽引した伝説のギャル雑誌『egg』。2014年に休刊となっていた同誌を、2019年、編集経験ゼロのギャル、赤荻瞳が復刊させた。

その後『egg』編集長としてギャルの文化を次世代につないだ赤荻は、2022年3月に同職を退任。1年の準備期間を経て、2023年春に渋谷女子インターナショナルスクールを創立し、27歳にして校長に就任した。目指すのは、世界で活躍する女性の育成だ。

何事に対してもポジティブな“ギャルマインド”で突き進む彼女の新たな挑戦に迫る。

ギャルは「個性と自由の象徴」

「物心ついたときからギャル」という赤荻は、本人いわく埼玉県で“関東一ポジティブ”な父と、おしゃれ好きな母親のもとに育った。

「幼稚園のときも、私だけルーズソックスを履いたり、髪の毛を盛ったり。とにかく目立ちたいしかわいい格好をしたいと思っていました」

『egg』に出会ったのは小学4、5年生のころ。おしゃれ好きな友人グループの中で、ギャル雑誌の『egg』『Ranzuki』『JELLY』『nuts』を回し読みしていた。

「その中でも『egg』はバイブル的な存在でした。個性的なファッションはもちろん、芯のあるギャルの生き方に惹かれました。田舎なので、派手な格好をしていると『あの子たち派手だよね』と、顔をしかめる大人たちもいました。特に気にはしてはいなかったけど、なんとなく窮屈さは感じていて。『早く(ギャルが集まる街)渋谷に繰り出して、自由に楽しみたい』と小学生ながらに思っていました」

高校は、『egg』に載っていた「埼玉県で一番かわくてギャルが多い高校」に行こうと、猛勉強して進学。渋谷にも通うようになり、高校1年生の春休みにギャルサー(ギャルたちによる学生サークル)を立ち上げた。

高校は、校則に息苦しさを感じて2年生で中退。その後はギャルサーの活動として、本格的にイベント企画や運営に力を入れた。毎年夏と冬に複数のギャルサーとモデル事務所が協力して行うイベントがあり、そのファッションショーやアーティストライブ、協賛ステージなどを制作。実行委員長も務めた。

「イベントの最後に“集客1位”のサークルが発表されるんですが、その1位をガチで目指していました。SNSのDMを使って地道に集客したのですが、それが功を奏して実際に日本一を2回取りました。『渋谷のギャルサーで一番になったら、日本一の高校生じゃん』というのがモチベーションでした」

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文=堤美佳子 取材・編集=田中友梨 撮影=小田光二

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