起業家

2023.02.21 08:30

年の差44歳。中学生起業家と社外取締役の「盗み合う関係」

レオス・キャピタルワークス会長兼社長の藤野英人(左)とレウォン(撮影=曽川拓哉)

小学生や中学生の頃から、起業や高度な研究にチャレンジする子どもたちがいる。彼らの目をみはるストーリーに迫る連載「U15 才能開花の原点」。今回は2022年2月に小学6年生で自身の会社「polarewon」を設立したレウォンを取り上げる。
 
レウォンは小学4年生のとき、学校への違和感から不登校となったが、クラウドファンディングで約400万円を集め、元素が学べる「元素カルタ」を開発。polarewonで販売をしている。
 
また、小学5年生では、想像力を働かせながら漢字が学べる「漢字mission」を生み出し、「スタートアップ Jr.アワード 2020」の小学生の部で大賞を受賞した。
 
そんな若き次世代の起業家を、大人も放ってはおかない。ネット番組でレウォンは、プレゼンテーションの才能を発揮し、堀江貴文氏に「数多くのプレゼンを見てきたが、圧倒的ナンバーワン」と言わしめた。
 
福岡大学経済学部の教授でベンチャー起業論を教える阿比留正弘(現CSO)も、「これからは彼を師として生きていく」と語る。そして、阿比留教授からの紹介でレウォンの存在を知った、資産運用会社レオス・キャピタルワークスの会長兼社長である藤野英人は、彼の才能に惹かれ、polarewonの社外取締役に就任した。
 
起業から約1年。レウォンと藤野は「互いに成長し合う関係」だという。2人の間には、どのような「化学反応」が生まれているのか、話を聞いた。


学校への疑問積み重なり、不登校に

──お互いをビジネスパートナーとして選んだ理由は。
 
藤野:頼まれたからというのが理由ではあるのですが、何より面白そうだなと思ったんです。僕は56歳で、彼は13歳(起業時は12歳)。44歳年下の上司がいるというのはなかなか体験できないことじゃないですか。
 
レウォン:僕が藤野さんにお願いした理由は「気」です。取締役になってもらうまでにも何度かオンラインで話したのですが、画面越しから藤野さんのオーラが伝わってきました。普通は会った時にその人のパワーを感じるものだと思いますが、藤野さんは違った。すごい人だって思ったんです。この1年間で、どんどん関わりが深くなっています。
次ページ > おかしいと思ったことを放っておけない

文=露原直人 撮影=曽川拓哉

タグ:

連載

U15 才能開花の原点

ForbesBrandVoice

人気記事