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2024.05.17 17:00

NYダウが史上初の4万ドル超え、3万ドル突破から3年半

安井克至
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Getty Images

米国時間5月16日、ダウ工業株30種平均が歴史を塗り替え、2024年に入っても大きな盛り上がりを見せる米国株式市場に新たな快挙を打ち立てた。

米国東部時間5月16日午前10時30分、ダウは128年の歴史で初めて4万ドルを超え、前日から0.4%上昇し、史上最高値の4万0046.21ドルを記録した(訳注:同日の終値は3万9869.38ドル)。

ダウは、さまざまな業種にわたる米国上場企業30社が組み込まれた株価指数で、今年に入り6%上昇し、昨年10月の底値から23%上昇している。

16日にダウを押し上げたのは小売業のウォルマートで、その株価は第1四半期の決算発表後に7%上昇し、史上最高値を記録した。

ダウの算出開始からインターネットバブル最中の1999年3月に記録した1万ドル突破まで103年かかり、2017年1月に達成した2万ドル突破までさらに18年、2020年11月の3万ドル突破まで約3年半、そして今回の4万ドル突破まではさらに3年半を要した。

ダウは、S&P500種株価指数とナスダック総合株価指数という米国の他の2つの代表的な株価指数と異なり、構成企業の範囲が狭く、時価総額ではなく株価に基づくウェイト付けがなされている。S&P500とナスダック指数はすでに過去最高値を更新している。

ダウが初めて3万ドルを超えてから4万ドルを超えるまでの3年半は、まるでジェットコースターのようだった。2022年に株価が暴落したのは、高インフレによって引き起こされる金利上昇を警戒したためだ。金利上昇は通常、投資家がリターンが高くなった債券を選択し、借入コストの上昇によって企業収益力の悪化にも繋がるため、一般的には株価を下落させる。

しかし、現在の金利は20年来の高水準にあるが、AIブームや、金利が将来引き下げられることへの期待などから各銘柄のPER(株価収益率)は高まり、株価は上昇を続けている。

インディペンデント・アドバイザー・アライアンスの最高投資責任者、クリス・ザッカレリは、ダウの4万ドル達成は投資家にとって「大きな心理的後押しになる」とコメントした。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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