テクノロジー

2024.04.12 16:00

AFEELAが「モビリティ体験」を変える、ソニー・ホンダのデザイナーが語る

安井克至
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河野氏は「暴れ馬を飼いならすとか、馬力を制御するとか、以前は車が持つさまざまなクセをユーザーが乗りこなすことに価値があるとされました。AFEELAは車の方からユーザーに馴染む感覚を大切にしたい」と語る。

最先端の技術を満載するAFEELAの操作性が複雑怪奇になってしまったら元も子もない。アクセシビリティの視点からも、AFEELAをユーザーフレンドリーなモビリティにしたいと石井氏、河野氏は口を揃える。

例えばパノラミックスクリーンに表示されるユーザーインターフェースは画面のタッチだけでなく、ステアリングのハードキーやセンターコンソールのジョグダイアルを併用しながら選択操作ができる。操作の内容によっては、画面タッチよりもハードウェアのコントローラーを使う方がユーザーの感覚に近いアナログ操作で、直感的に操作できる場合もあるからだ。反対にユーザーの顔認証やNFC機能を搭載するスマホをかざして開閉するオートドアのように、物理的操作の最小化による負担軽減も含めて、デジタルガジェットに不慣れなオーナーの満足度向上も、AFEELAはさまざまな視点から追求する。

センターコンソールに配置されたジョグダイアル。パノラミックスクリーンの画面タッチと合わせた快適な操作性を追求する

センターコンソールに配置されたジョグダイアル。パノラミックスクリーンの画面タッチと合わせた快適な操作性を追求する

2025年に予定する先行受注開始に向けて、AFEELAのデザインがプロトタイプからマスプロダクションタイプにいつ切り替わるのだろうか。今回のインタビューでは開発が順調に進んでいることは垣間見えたが、石井氏は「みなさんの関心と期待が大きいことも心得ています。今後の開発に向けて、みなさんの期待を超えるようなものをお届けしていきたい」と答えた。

河野氏の口からは、2024年のプロトタイプが公開できたことで「ようやくスタートラインに立てた」という安堵の思いがこぼれた。今後もさらにモビリティの可能性を貪欲に追求していきたいという河野氏が「今はこれが売れてるから、AFEELAもそれに追従しようという戦略を採るつもりはありません。この先に何をつくるとしても、みなさんにAFEELAの独自性を伝えたい」と結んだ。

連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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編集=安井克至

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