2024.03.27 13:00

【試乗記】BMW iX2は「後席や荷室を犠牲にしないクーペSUV」の電気自動車

電動ドライブトレインと航続距離

新型X2の大きなニュースは、電動ドライブトレインを採用するiX2が新たに登場したことだが、内燃エンジンを搭載するX2のほうにも48Vマイルドハイブリッドを採用する2つの仕様がある。これらは発表会には用意されていなかった。BMWがEVを重視していることの表れだろう。iX2には2種類の選択肢が設定されている。前輪のみを駆動する最高出力150kW/204psの「eDrive20」と、4輪駆動で230kW/313psを発揮する「xDrive30」だ。英国市場向けでは、X1やiX1とは異なり、X2もiX2もすべて「M Sport」仕様となる(日本では2024年5月31日まで「iX2 xDrive30 M Sport」のプレオーダーを受付中

電気自動車のBMW iX2 xDrive30とガソリンエンジンを搭載するBMW X2 M35i xDrive(画像:BMW)

電気自動車のBMW iX2 xDrive30とガソリンエンジンを搭載するBMW X2 M35i xDrive(BMW)

しかし、どちらのモデルも搭載するバッテリーの容量は64.8kWhと共通で、今となってはこのクラスとしてはやや少ない。現在、例えばプジョーは「e-3008」に最低でも73kWhのバッテリーを搭載している。それに比べると、iX2の64.8kWhはケチ臭く感じられるというものだ。一度の満充電で走行可能な距離(航続距離)は、国際基準のWLTPモードで、eDrive20が439〜478km、xDrive30は417〜449km。フォルクスワーゲンは最新モデルの「ID.3 GTX」で79kWhのバッテリーを新たに採用した。「ID.7 GTX ツアラー」にはさらに容量の大きな86kWhのバッテリーを搭載している。その航続距離はWLTPモードで最大607kmだ。この点に関して、BMW iX2は競合車に遅れを取っている。BMWのiXやi4、i5はすべて航続距離がもっと長いし、テスラの小型SUV「モデルY」も同等かそれ以上だ。iX2は、依然として内燃エンジンを搭載するX2と共通のプラットフォームが足かせとなっている。
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翻訳=日下部博一

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