欧州

2024.02.21 09:30

ウクライナがロシア軍のスホーイをまた撃墜、3日で計6機の大戦果に

2017年7月、ロシア西部ジュコフスキーで催された航空ショーで編隊飛行するロシア空軍のSu-35戦闘爆撃機(Borka Kiss / Shutterstock.com)

ウクライナ空軍は最良の弾薬が絶望的なまでに不足している。射程145kmほどの米国製パトリオット地対空ミサイルシステムもそうだ。

もっとも、ウクライナ空軍がミサイルを浪費することはそもそもほとんどない。そのため、在庫が減っているパトリオットを発射した場合、目標を撃ち落とし損ねることはめったにない。

だからこそ、ウクライナがより多くの弾薬を必死になって求め、政治的な努力を続ける状況にありながら、ウクライナ空軍はロシア軍の戦闘爆撃機をこの3日間で6機も撃墜したのだ。これはロシア空軍が耐えられないほどの高い損耗率である。

「ロシア軍機はどんどん墜落している!」──。ウクライナ国防省は19日、そう戦果を誇った。撃墜した6機は、複座のスホーイSu-34戦闘爆撃機4機と単座のスホーイSu-35戦闘機2機である。

Su-34はロシア空軍最高の超音速攻撃機だ。ウクライナでは最近、主に近接航空支援任務に投入されており、前線方面に高高度で機動展開し、40kmほど離れた距離からKAB精密滑空爆弾を発射している。

超音速機のSu-35は航空優勢を確保するための制空戦闘機で、Su-34の護衛にあたる。

6機のうち3機は、17日にウクライナ東部アウジーイウカの東100kmあたりの上空を飛行中に撃墜された。アウジーイウカから撤退するウクライナ軍部隊を滑空爆弾で攻撃するために、編隊を組んでいたもようだ。

ウクライナ国防省は、18日に4機目のスホーイを撃墜し、19日にさらに2機を南部のアゾフ海上空で撃墜したと主張している

撃墜に使われたのは、すべてウクライナ軍のパトリオット2(PAC-2)型だった可能性がある。もっと言えばその可能性が高い。ウクライナは米国とドイツからPAC-2を計3基供与されている。

ウクライナ空軍はパトリオットを首都キーウ、南部、東部に1基ずつ配備している。トラックに搭載する発射機は展開し、レーダーと接続したまま移動可能だ。

ロシア空軍はただちにスホーイが不足するわけではない。オランダのOSINT(オープンソース・インテリジェンス)分析サイト「Oryx(オリックス)」の集計によれば、2年にわたる激しい戦いのなかで撃破されたロシア空軍のSu-34とSu-35は、前者が150機中25機、後者は120機中6機となっている。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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