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2024.01.26 14:45

詐欺被害者の6割「自分は大丈夫」と過信

リリースベース(松村)
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巧妙化する詐欺にご注意とメディアでもさんざん警告しているが、じつは詐欺に引っかかるのは、防犯意識が低い無防備な人たちばかりではなかった。

テレビアンテナ工事業を全国展開するアンテナドクターは、詐欺や悪徳業者に接触した経験のある20代から50代の男女331人を対象にアンケート調査を実施した。それによると、およそ半数の45.9パーセントの人が詐欺に騙されていた。そのうち、20代が16人中9人、30代が59人中33人と、意外にも若い人たちの被害も多い。

驚くべきは、詐欺被害にあった人たちのうち、「まさか自分が被害にあうとはまったく思っていなかった」という人が43.5パーセント、「誰にでも可能性があるのは知っていたが自分に限って」と思っていた人が21.7パーセントもいたことだ。自分は大丈夫と自信をもっていた人が合計で65.2パーセントも犠牲になっている。

また残る27.6パーセントは「自分も騙される可能性があるとは思っていた」、7.2パーセントは「つねに自分が騙されると不安に思っていた」ということで、詐欺に引っかかる危険性を重々意識していた人たちだ。

ひっかからない自信のあった人たちも、詐欺の横行は意識していたわけで、まったく無警戒だったとは言えない。それなのに、なぜ引っかかってしまったのか。理由を聞くと、28.3パーセントともっとも多かったのが「冷静に考えられない状況だった」というものだ。緊急を匂わせて、相手を不安にさせる、焦らせるという手口だ。

詐欺の内容は、屋根の修理やリフォーム関連がもっとも多く、次いで外壁の修理となっている。「近所で工事をしているが、お宅の屋根が壊れているのをたまたま見つけて知らせにきた」なんて不安を煽る詐欺が多い。

被害を受けた人たちが今後気をつけたいことのトップは、すぐに決めずにいったん保留にする、というものだった。被害者の反省の弁として説得力がある。屋根が壊れているとか、今だけの特別サービスだとか突然の持ちかけがあったときは、まず落ち着いて頭を冷やすこと。そして、ネットなどでその業者を調べるなり、専門サービスに相談するなりして、真偽を確かめることが重要だ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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