テクノロジー

2023.11.24 07:15

除草ロボ「ミズニゴール」でブランド米を収穫

プレスリリースより

田んぼの水をかき混ぜて濁らせて水中の雑草の光合成を阻害する除草方法があるが、それをロボットで自動化しようというのが、水を濁らせるロボット「ミズニゴール」だ。これを使った最高級ブランド米の無農薬栽培が成功し、「ミズニゴール米」として販売が開始された。

スマート化を含む環境負荷の低い持続可能な農業の発展を目指す「みどりの食料システム法」は、目的にかなう農業設備の導入に対して国は税制優遇措置を提供しているが、国の認定を受けたメーカーの製品であることや取得価格が100万円以上などと条件が厳しく、小規模農家は蚊帳の外となっている。

そこで、農業テクノロジー企業ハタケホットケは、安価でシンプルな除草ロボット「ミズニゴール」を開発、長野県内の農家を対象にレンタル提供を開始した。「ミズニゴール」はGPSを搭載し、Google Mapsと連動することで走行ルートの自動設定や範囲設定の記録ができるので、田んぼごとに運転パターンを切り替えて使える。

また、農家同士でシェアして使うことも念頭に、8キログラムと軽量で扱いやすく、メンテナンスや故障した部品の交換も簡単にできるモジュール式になっている。1反あたりの作業時間は数分間。これにより、人が除草する場合と比較して「約20倍の生産性向上」が見込めるという。さらに、アヒルや合鴨を使った無農薬の除草方法と違い、鳥たちの排泄物が米の味に影響を与えない利点もあるとのことだ。

ハタケホットケは今年、コシヒカリの突然変異種で「神米」とも呼ばれる非常に稀少なイセヒカリとコシヒカリを、長野県塩尻市の田んぼでミズニゴールを使って栽培を行った。イセヒカリは自然栽培、コシヒカリは無農薬栽培。収穫量は約6トン。これらは収穫後に天日干しされ、脱穀から精米までを丁寧に手作業で行い「ミズニゴール米」として製品化された。同社ECサイトにて購入できる。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事