太陽光発電・蓄電は「わかりづらい」 信憑性のあるデータを求める声

リリースベース(松村)
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太陽光発電や蓄電池を導入したいと考える企業が多いが、実際に業者の説明を聞いて導入を諦めるケースもまた多いという。それには設置費用などの想定と実際とのズレもあるが、これらの設備を売り込む業者の説明にも大いに問題があるようだ。

空間情報技術を提供する国際航業は、自家消費型太陽光発電や蓄電池設備の営業を受けたことがあるが、導入していない企業の経営幹部105人を対象に、太陽光発電および蓄電池導入に関する調査を行った。導入を考えた理由は、電気代の削減が約6割と圧倒的に多かったが、SDGsへの対応や二酸化炭素排出量を削減したいという倫理的な理由も多かった。しかし、この調査に応じた企業はみな導入を見送っている。その理由として、約4割が設置費用が予想より高かったことをあげている。

しかし気になるのは2位以下の理由だ。経年劣化や耐久性が心配(31.4パーセント)、経済効果が明確に想像できなかった(25.7パーセント)、そのほか、シミュレーションの信ぴょう性が低かった、十分なシミュレーション比較ができなかった、または、耐用年数や強度などのランニングコストに対しての回答がない(自由意見)など、営業担当者の説明不足、シミュレーションの甘さが目立つ。そもそも、半数はシミュレーションの提示すらなかった。

残念なのは、「信ぴょう性のあるシミュレーションを見せてもらえば負担額次第では導入したかった」と答えた経営幹部が5割もいたことだ。彼らがシミュレーションで示してほしかったのは、投資回収期間、電気代削減額や削減率、投資コストと25年での電気代削減額とのバランスなどとなっている。自由意見では、廃棄の際のコスト、メンテナンスコスト、地域の平均的な発電量、保障、算出根拠、他事業者の実際の記録、といった要望も聞かれた。

逆に言えば、これらを的確に示すことで導入を決める企業は少なくないということ。営業側にしてみれば、じつにもったいない話だ。健闘を祈る。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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