宇宙

2023.08.16 14:00

ペルセウス座流星群ピーク時に輝いた流れ星の数々

安井克至
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リーバーグ・ヒルの上を縦断するペルセウス座流星群。2023年8月13日、オーストリア、グロースムーグル(Photo by Heinz-Peter Bader/Getty Images)

ペルセウス座流星群のピークは先週末に過ぎたが、今年最も人気の高い「流れ星」のすばらしさは何年も語り継がれることだろう。

ピークの夜が晴天だった人たちは、スイフト・タットル彗星が太陽系に残したちりの流れに地球が衝突して作られた何十個もの「流れ星」を見たはずだ。

その光景は、彗星のかけらである「ちり」が上空約130キロメートルで地球大気に時速約60キロメートルで衝突した結果だ。燃え尽きたちりやそれを取り巻く高温の空気が、あの輝きを生み出している。
北米での日暮れどきに流れ星はピークを迎えたが、最も鑑賞に適していたのは深夜から明け方にかけて、ペルセウス座にある「流れ星」が飛び出す起点のように見える「放射点(輻射点)」が、暗い夜空の高い位置に来たときだった。まるで示し合わせたかのように、三日月がペルセウス座流星群のピーク直後に昇ってきた。

2023年7月中旬から8月下旬まで活動するペルセウス座流星群は、どの流星群とも同じく、ピークである夜に見るのが最高で、1時間あたりに出現する「流れ星」の数は、他の日の2倍近い50~70個に達した。
この流星群は北の星座であるペルセウス座から現れるため、北半球から最も良く見える。そのことが、流星群にある文化的重要性を与えている。たとえば、ペルセウス座流星群のピーク時期は、ローマのラウレンティスを祝うカトリックの祝日に当たり、それに因んで中性ヨーロッパにはペルセウス座流星群が「聖ラウレンティウスの涙(Tears of St. Lawrence)」と呼ばれていたとCosmic Pursuitsにはあり。
現在その流星群は「ペルセウス(Perseus)の子どもたち」を意味する「Perseids」と呼ばれている。ギリシヤ神話の英雄、ペルセウスはアンドロメダの夫で、その9人の子どもたが「Perseides」と呼ばれていたと英国流星観測ネットワークは説明している。

神話はさておき、スイフト・タットル彗星がペルセウス座流星群の原因であることは1862年から知られており、当時イタリアの天文学者ジョヴァンニ・スキアパレッリがこの関係を見つけた。スイフト・タットル彗星は直径約26kmで、太陽を133年周期で公転している。

ペルセウス座流星群の次のピーク(極大)は、2024年8月12日23時(日本時間)と予測されている。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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