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2023.05.11 19:15

火星探査機と古着と子育て、100Banchに3つのプロジェクトが入居

リリースベース(松村)
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プレスリリースより

理想の未来を築くという松下幸之助の理念を受け継ぎ、パナソニックが2017年に東京渋谷にオープンした若者のための未来創造拠点「100Banch」(キャクバンチ)では、35歳未満で創造的なプロジェクトを支援するアクセラレーションプログラム「GARAGE Program」を実施しています。このたび第70期となる3チームが採択され、100Banchに「入居」しました。

ひとつは、アメリカのユタ州で開催される大学生を対象とした火星探査機の開発コンテスト「University Rover Challenge」(URC) への出場を目指す学生チーム「ARESプロジェクト」。宇宙飛行士を目指し大学院で月面探査ロボットの研究を行うプロジェクトリーダー阿依ダニシ氏を中心に、ロケットやロボットの開発経験を持つ学生たちが集結したグループです。この挑戦が日本の宇宙技術の向上、学生への大きな刺激になると彼らは考えています。また、URCではさまざまなミッションが与えられるため、それらに対応する要素技術が惑星探査以外の多くの分野に応用できるとの期待もあります。チームでは、海岸のゴミ回収ロボットへの転用も視野に入れています。

2つめは、子育て世代の親に寄り添うコミュニティーの構築を目指す「Bonheur」(ボヌール)です。目標は「子どもの個性を尊重する考え方」を広め「社会のレールや重圧から解放されることにより子育てのプレッシャーを軽減」すること。具体的には、子育ての悩みを話し合い、学校外の本質的な学びの機会を子どもたちに提供するといった内容です。チームリーダーの平野杏樹氏は、高校生のころから地元のコミュニティー作りに励んできました。

3つめは、生成AIを活用して古着のリメイクを行うデザインシステムを開発する「HIZUMI」です。AIと3DCGを使うことで、誰にでも縫製可能で魅力的なリメイクデザインができるようにするというものです。「消費者が作り手になることで新商品を買わずに自分らしい消費行動が楽しめる世界」を目指しています。チームリーダーの加藤優氏は、ソフトウェアエンジニアとして働きながらAIとスペキュラティブデザイン(問を提示し未来を想像させるデザイン手法)を学び、アップサイクルプラットフォーム「HIZUMI」を創設しています。

GARAGE Programは、3カ月間の短期集中型アクセラレーターです。100Banchに入居し、そこで各分野の専門家のメンタリングを受けながらプロジェクトを練り、パナソニックをはじめとするグローバル企業とのネットワークを構築して、実験報告会を行い卒業します。その間、100Banchの施設は24時間自由に使えます。現在までに264件のプロジェクトが採択され、約1000人のメンバーが巣立ちました。現在は7月期のエントリーを受け付けています。応募締め切りは5月29日。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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