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2021.12.14 08:30

エンジニアの「採用と組織運営」を効率化する2つのサービス

wutzkohphoto / Shutterstock.com

経済産業省のレポート「IT人材供給に関する調査」は、2030年にIT人材が最大で79万人不足すると試算している。多くの企業がデジタルシフトに注力するなか、DX人材やエンジニアの不足の解決が喫緊の課題として改めて問われている。

LAPRAS(ラプラス)とFindy(ファインディ)はエンジニアが抱える課題解決に挑むスタートアップ。彼らが効率化を目指すのは、エンジニアの採用と組織運営だ。


エンジニア能力のスコア化(=可視化)やマッチングアルゴリズムの開発に強みを持つラプラスは、2016年5月に創業。エンジニア人材の「流動性」を高めることにフォーカスする。

同社CEOの島田寛基は「人材の絶対数が減っていくという事実は避けられない」と前置きしつつ、「流動性が低い状況もエンジニア不足を引き起こす温床になっている」と指摘する。

「日本の場合、ソフトウェアは外注するという産業構造があります。そのため海外と比較すると、ウェブ企業など事業会社より受託開発企業にエンジニアが多く在籍しています。

受託開発企業は外部からの採用が少ないため長期的な人材育成を行うケースが多い。またエンジニアには守秘義務があり、自身の実績をSNSで公開しづらいなど、スキルや経験を外部に伝えることが困難な傾向にあります。エンジニアが数年で転職するということが起こりにくい構造になっている」と島田は話す。

さらにこう続ける。

「長期間にわたり同じ職場に在籍しているエンジニアは、自分がどういう技術を持っているか、どのような職場で働けるかなど、自分の市場価値を認識することが難しくなっていきます。結果として、流動性が低い状況が生まれ常態化してしまっているんです」

能力を自動でポートフォリオ化


ラプラスは、エンジニア向けマッチングプラットフォーム「LAPRAS」や企業向けエンジニア採用サービス「LAPRAS SCOUT」を運営している。

エンジニアユーザーが公開しているツイッターやギットハブ、キータ(エンジニアの知識を共有するコミュニティサービス)などのデータをラプラスが収集し、自動的なプロフィール作成や能力のポートフォリオ化が行われる。データをもとに技術力・ビジネス力・影響力を5点満点で算出し、登録エンジニアの中での順位を見ることもできる。

またユーザーがツイッターやギットハブに新たな投稿をすると、LAPRAS上のデータも更新される仕組みだ。

エンジニアを探す企業は、これらの可視化されたデータをベースにスカウトを送ることができる。

エンジニア
提供=LAPRAS

導入企業数はウェブ系サービスを中心に累計約500社。ラプラスのデータベースには世界約150万人(日本は約53万人)のエンジニアが存在している。

「流動性を高めるためにラプラスができることは、まずエンジニアの作品や技術力を、より見やすく使いやすい形で可視化することだと考えています。最近では、『ラプラスのサービスがなければ企業から声がかからなかったし、転職も考えなかった』というエンジニアが増えてきています」

エンジニアと企業双方にとっての機会創出を増やすため、次なる機能開発も進めている。

COOの染谷健太郎は言う。

「現在のスコアリングのベースになっているのは、エンジニアがウェブ上に蓄積させたコンテンツなどのアウトプット。ラプラスでは職務経歴書を自動でインポートできる機能の開発を行っており、他の情報と同じく経験年数やプログラミング言語などを数値化し、企業が把握できるようにしていく方針です」
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文=河 鐘基(Forbes JAPAN オフィシャルコラムニスト) 編集=露原直人

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