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2021.02.14 11:30

コロナ禍でもハワイの不動産は好調。住民の「マイホーム」は遠のく?

堅調なハワイの不動産事情と、その裏の住宅問題とは(Photo by Unsplash)

観光が主な産業のハワイで、2020年の訪問者数は前年比73.8%減の271万6195人となった。10月15日から訪問者の受け入れが開始され、観光関連業が徐々に再開しているが、2020年12月のハワイ州の失業率は9.3%。全米平均の6.7%と比較しても高い水準となり、全米ワースト1位の数字と報じられた。

一方、大打撃を受けた観光業とは対照的に、ハワイで順調な伸びを見せているのが、不動産業界だ。新型コロナウイルスの影響で一時期は動きが低迷したものの、すぐに回復。2020年後半には取引件数も中間価格も前年より大幅に増加し、好調に推移している。本記事では、ハワイの不動産市場の動きにスポットを当てて紹介する。

2020年のホノルルの不動産市場


まず、新型コロナウイルスの感染拡大で世界が揺れた2020年について、ハワイの中心となるオアフ島ホノルルにおける不動産市場の動きを振り返ってみたい。ホノルル不動産協会が発表した取引件数と中間価格は以下の通りとなっている。()内は前年同月比。

ハワイの戸建て住宅
*ホノルル不動産協会の発表を元に作成。戸建住宅の取引件数と中間価格()内は前年同月比

ハワイでは2020年3月下旬から約2カ月間、外出禁止令と在宅勤務令が発令されロックダウンとなった。この時期は戸建住宅、コンドミニアムともに取引件数が前年同期に比べて大きく減少し、不動産市場に暗い影を落とした。(*コンドミニアムは別表、次のページに掲載)

しかし夏から秋にかけて徐々に回復し、9月には戸建住宅の中間価格が88万ドル(約9240万円)の過去最高額を記録。さらに12月には、戸建住宅の取引件数が前年同期比で35.9%増、コンドミニアムは20.1%増となり、中間価格についてもどちらも6%増と堅調な伸びを見せた。戸建住宅については特に、2020年後半に中間価格が前年比で10%近く増加しており、高価格帯の物件の取引が多かったと予想される。

オアフ島では8月下旬から9月下旬まで、2度目となるロックダウンが講じられた。不動産に関わる人はエッセンシャルワーカーとみなされ、ロックダウン中の通常通りの営業が認められていたこともあり、不動産取引件数と中間価格を見る限り、1度目のロックダウンのときのような影響はほとんど無く、ハワイの不動産需要の底堅さがわかる。

歴史的な低金利と在庫不足が、市場を活性化


多くの業界がダメージを受けているにも関わらず、ハワイの不動産市場が新型コロナウイルスをものともせず、成長しているのはなぜか。その理由に、全米で住宅ローンの金利が過去最低水準まで低くなっていることが挙げられる。
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文=佐藤まきこ

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