キャリア・教育

2017.01.19 08:00

若手に学んで初心に返る、「クラウド界の旗手」セールスフォースCEO

セールスフォース・ドットコム会長兼CEO / マーク・ベニオフ (photograph by Robert Gal lagher)

今年の6月、マイクロソフトはリンクトインを買収し、世界をあっと言わせた。260億ドルに上る買収劇に敗れたクラウドサービス大手「セールスフォース」のマーク・ベニオフ(52)はそのことを冷静に振り返る。

「私も夢中になりすぎていたのかもしれない。アイデアがあると、それを手放すのは簡単じゃないよ」

とはいえ、同社が進めてきた過去のM&Aは着実に実を結んでいる。

9月に発表した「アインシュタイン」もその一つだ。2年前に買収したRelateIQを皮切りに多くのAI(人工知能)関連企業を買収し、AI機能搭載のCRM(顧客管理)プラットフォームを作り上げた。

ベニオフは、こうした有望なスタートアップを探すことに貪欲である。若い起業家から情報を集め、彼らに学ぶことで、「初心」に返ろうとしているという。

当然、パーティーでも情報収集を怠らない。気になる会社があれば、すぐにその名を部下に伝える。

「今は遊ぶ時間じゃないんだ。ここにこそ、本当の宝物がある」

マーク・ベニオフ◎大学卒業後、ソフトウェア開発企業「オラクル」に入社。共同創業者ラリー・エリソンに見込まれ、同社の最年少副社長に就任。1999年にセールスフォース・ドットコムを創業し、同社のCEOとして年間売り上げが8億ドルの世界的企業へと育て上げた。慈善活動に熱心なことでも知られ、教育や医療に多額の寄付をしている。

文=Forbes JAPAN編集部

この記事は 「Forbes JAPAN No.30 2017年1月号(2016/11/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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